それでも当方の希望価格5000万円ははるかに超えた金額。
まだあるかと見ていたらA君が「これが弊社のぎりぎりです」
「なんとかこれで契約をお願いします」と頭を下げた
A君必死の「値下げしました」アピールもここで終了となった。
この段階で最初の見積からすると500万円以上の値引きと
なっていた。
指値には届かないけど、ここまでやってくれたのか、
たいへんやったな、それならここで妥協しようかね、と情で
いわせるシナリオだけど、それは駄目ですA君。
最初が高いのだからいくらでもメイキングできるではないか。
彼の工夫と努力は評価できるかもしれないが指値と見積の
差額は情では解決できない。
何種類か見積書を用意して価格折衝するのはよくある手法。
私も若い頃に、“ど”難しいと評判の某自治体でやったことが
あるが、そのときは、何枚かめくり始めると
「ああ!もうええから一番下の、はよ出せや」
とにべもなく言い放たれて撃沈したことがあった。
A君の意図は最初の見積をめくった時からわかっていた。
私は今でこそ好々爺然としているが、この道35年の営業マン、
酸いも甘いもわかっている。
彼の顔を立てつつ、何とか落し所を探ろうとした。
