「蘇生の可能性は限りなく低いです」
到着して夫の様子を見た救急隊員から大した時間も置かずに言われた
担当医師に連絡した後警察に引き継ぐと言われ、私は泣きじゃくりながら床にへたりこんだ
警察と入れ替わるように救急隊員は引き上げていった
当たり前のように事情聴取が始まる
私と話してくれたのは女性刑事だった
なだめるような口調の中にも強さを感じて、パニックだったはずなのにぼんやりと、かっこいいなぁなんて思っていた
事情聴取と共に他の警察官達が現場検証も行う
淡々と手際よく、そして有無を言わさず部屋中の引き出し等も全て開けられて確認された
夫の通帳の中身や印鑑、生命保険加入の有無等、金銭面も細かく聞かれる
だが、聞かれて困る事など何一つ無かった
だって、夫は既に定年退職していて年金生活
私はうつ病で障害者年金
そんな収入だけで生命保険に入れるはずもなく、貯金も0
事件性なんてあるはずもない状況なのは、警察も理解してくれた
事情聴取、現場検証諸々が終わると、夫の体は警察と共にいなくなった
検死に回されるのだ
帰されるのは翌日だが、自宅にという訳ではなかった
早急に葬儀社を探して警察に連絡してくれとの事だった