見たいものを他人が隠したりする。朝の月。じっくり観察したい男の人がいたのにどうでもいいサラリーマンに邪魔されて見えなくなってしまった。今日は曇りで、月は見えなかったけれど、さつまいもみたいな色の空の雲と真っ黒な木の色と、前を走る車の赤いランプと、ナンバープレートの発行したエメラルドグリーンが、ベストな色合いをしていた。そんな良いものも、月を隠す。余計にそそられるよね。