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外にいて、いっぱい星が見えることに気づいて、空を見回して、月が綺麗なことに気が付いた。

今日は多くの人が月に反応していて、人が空を見上げて気持ちの良さを感じていることは生きている醍醐味のひとつだと言えると思う。

風にあたって髪の間を通っていく感じ、キーンと冷たい空気の中歩いていることは、その場に立って自分が存在していることを証明してくれる。

風は良い。

月が建物と建物の間から顔を覗かせたりしていて、かわいい。
星がたくさんあることを知っているのに、こちらに向けて遊びを誘っているかのようで。

月は一生、わたしに興味を示さない。
わたしは月の元に還りたいと思うのに。

冷たい足元、ひたひたと歩いて、月の何処かに寝床を作って、そこに魂を眠らせたい。
父、母、弟、愛する人、自分の子、桜の木の枝、ひまわりの種、たんぽぽの綿毛、一緒に持って行ってしまいたい。

空を見ている時にだけ感じる、居心地の良さ、人間である前に自分の魂のことを思い出す。
五感が心に触れる。

これ程気持ちの良いことを、わたしは知らない。