登山電車で麓に下りると、ちょうどツェルマットの駅から電車が出る直前でした。
私達が来るのを見ていた駅員さんが「ダッシュ!!!」というので、反射的に走って飛び乗ったら、すぐ扉が閉まりました。
次の電車がすぐに来るという雰囲気ではなかったので、ギリギリ乗ることができて良かったよかった。
次のタッシュの駅で降りて車をピックアップし、山道をラサ村に向けて出発。

この山道が途中半端なく細かったり、対向車が先が見えない峠道にもかかわらず対向車線をはみ出してガンガン飛ばしてくるので、とにかく緊張の連続でした。
運転慣れしている夫が「もうこの道は二度と通りたくない」と言ったぐらい、危ない道でした。
いくつか峠を越え、ガーミンが案内する道に入ったものの、全く人気もない細い山道で、よく見ると行き止まりのサイン。
途中で不安になったので引き返し、また山道を行きます。
私たちが目指しているのは「ラサ村」という、スイスの小さな村。
この小さな、廃墟になる寸前のような村を、私達が尊敬するスイス人の先生が仲間たちと建て直し、静かに過ごしたい人達の為の村として使われるようになりました。
当時、この村に住んでいた村人はたったの5人でした。
そしてその小さな村が再建され、ロープウエイだけで行ける、知る人ぞ知る村となりました。
私たちはかつてこの村に案内されて行ったのですが、その静かな佇まいは忘れられないものとなりました。。
お気づきだと思いますが、私のハンドルネームはこの村からとっています。
今回夫と、どうしてもその場所にもう一度行ってみたいということでこのドライブコースに入れたのですが、前回行った時には案内してくれる人が一緒なうえ、チューリッヒから電車の旅だったので、車で行くには結構大変な場所だったのだと今回思い知りました。
この村に行くには、ベルダシオという無人の鉄道駅直結のロープウエイしか交通手段がありません。
つまり、車で行く場合はベルダシオ駅の駐車場に車を置いて、このロープウエイで谷を越えて向かいの山の上にあるラサ村に行くしかないのです。
ここに車を置いて、この下のロープウエイ駅に行きます。
道路は駅の遥か上にあります。
道路脇駐車場に車を駐車して、ロープウエイに乗るのです。
この上のほうに、駐車場。
この坂を降りていって、線路を渡った先がロープウエイ乗り場。
クリーム色の建物です。
駐車場からベルダシオ駅をのぞき込んだら、ロープウエイ乗り場の前に、中年のご夫婦らしき二人の人がいました。
夫が「わぉ~!」と思わず声をあげたら、その二人が振り向いて笑って手を振ってくれました。
荷物を車のトランクから取り出して、坂を下りる準備をしていたら、夫が例によって写真を撮り始めていましたが、ふと下を見るとロープウエイ乗り場にいたはずの二人の姿が消えているではありませんか!
夫に「写真を撮っている場合じゃないよ、次ロープウエイがいつ来るかわからないんだから、荷物を持って走ろう!」と急かしてトランクから荷物を出して、荷物を持って坂を駆け下り、
線路を渡り、
ロープウエイ乗り場に行ったら何とさっきまで開いていた入り口の鉄のドアが閉まっていて、乗り場に入れない!!!!
ドアをどんどん叩いたり、ドアノブをガチャガチャやってみたけれど、反応なし。
ドアの張り紙を見て唖然としたのは、
「運転は朝の9時から夕方6時まで20分おき営業」の文字。
そのとき時計は既に6時20分を回っていました。
(いや、ロープウエイの時間、調べてなかったんかいっ!←このころはスマホも持ってなかったのです)
こんな無人駅の、しかもネットが繋がらない山の中の、誰もいない場所で野宿になるのかと、二人で途方に暮れて顔を見合わせていたら・・・
中からガチャガチャ音がしてさっきの二人が「早く早く、今ロープウエイが出るところだから、早く中に入れ!」と言ってドアを開けてくれたので、慌てて荷物を入れて中に滑り込みました。
二人が言うには「通常このロープウエイは午後6時で営業が終わるけど、今日は僕達が村の友達を訪ねていくので、特別便を出してもらったんだ。君たちは運がいい」とのこと。
私たちの到着が後5分遅れたらこのロープウエイには乗れなかったし、ラサ村にはたどり着けなかったんだ・・・
それを考えたら、そもそのあのゴルナーグラード展望台2時55分発の登山電車に乗らなかったら・・・
ツェルマットの駅であの駅員さんが急かしてくれなかったら・・・
山道が間違っているんじゃないかと考えてあの時、引き返さなかったら・・・
そもそもこの人たちが臨時便をお願いしていなければ・・・
あの時笑ってお互い手を振り合っていなかったら・・・・
どれ一つ上手くいかなくても、このロープウエイには乗れなかったと思いました。
危ない、危ない。
この、6人用のロープウエイに乗っていきます。
荷物は外に積みます。
この谷を越えて、向こうの山の頂上まで。
間に合ってよかったー!ただただ、感謝!
到着しました。
※この村のことを娘たちに話したら、私達も行ってみたい!というので2019年、再びこの村を今度は娘たちと一緒に訪れました。
その時の記事はこちら⇓













