<白い壁:第一章・・・34>






次の診察日まであと1週間・・・


カレンダーを見ながら、まゆこは小さなためいきをついた。



診察は行かなくちゃいけない。


でも亮子に会うことがちょっとだけ重荷に感じる。



ただ、亮子からいい影響をうけてもいるのをまゆこは感じていた。


いくら自宅にこもりっきりの生活でも、

外に出るときくらいは、きちんとお化粧をして、

はずかしくない程度に身なりは気にしないといけないと思ったのだ。



洋服は大丈夫だと思うけど、

病気にかまけて、お化粧は適当に済ませていたし、

亮子さんと話すときも、ついおどおどしてしてしまって、

不審な対応になってなかったか、考えただけで恥ずかしい。



次に診察に行くときは、ちゃんとお化粧をしていこう。

服はそのままで大丈夫だろう。



亮子さんに話しかけられてもおどおどしないで対応しよう。

またお茶に誘ってもらえたら、行ってみよう。


もちろん無理にとは考えてないけど、

なんとなくお茶くらいならできそうな気がしてきた。


雄二にも伝えて、もしお茶に行くなら連絡するからって言わなくちゃ。



元々、化粧と言っても薄化粧のまゆこだけど、

一応、一通りは持っているし、使い方もわかっている。


冠婚葬祭でどうしてもちゃんとお化粧をしなければいけないときは、

まゆこも化粧をしてきた。


そのたびに、いろいろな人に褒められてきたものだ。



よし、次はちゃんと化粧をしていこう!


決意を飲み込むように、グレープフルーツジュースを飲んだ。



グラスを洗うと、洗濯物を取り込みに行った。


洗濯物を畳むのは好きだ。

キレイにたたんで、キレイにしまう。


他は案外適当に済ませてしまうところもあるまゆこだけど、

洗濯だけはしっかりやる。


ふんわりと柔軟剤の香りと太陽の香りのする洗濯物を畳みながら

少しだけ診察日が楽しみになっていた。



お化粧分、早めに準備しなくちゃいけないなぁ・・・


そんなに時間がかかるわけじゃないか・・・と、一人でくすくす笑うと

雄二のTシャツを畳みにかかった。




(つづく)