<白い壁:第二章・・・8>
通院日の翌日は、ぐったりしていることが多い。
人混みに疲れてしまうからなのか・・・
ただ、今回は違う。
亮子とお茶に行ったからだ・・・そうまゆこは思った。
決してイヤではなかったし、楽しく時間を過ごした。
それでも、そういうことは久しぶりだったせいか、
雄二以外と長く話すことが久しくなかったせいか、
とにかく、頭が疲れてしまった・・・と言うしかない。
でも、まゆこにはいい刺激にはなった。
ソファに寝転びながら、まゆこはエアコンの風に吹かれていた。
雄二から、「直接、風にあたるのはいけないよ」とは
言われていたが、ついつい風の心地良さに負けてしまう。
設定温度は29度にしてあるから、
それほど冷たい風が吹いてくるわけではない。
それにめったにテレビを見ないまゆこが、
たまたま見た情報番組で、エアコンは29度にして、
風量を最大にする方が節電、節約になると言っていた。
でも確かに、ずっとこの風を浴びていたら、
風邪をひいてしまうかもしれない。
それは雄二に心配の種を増やしてしまうことになるから、
まゆこはリモコンで風向きを変えて、
風が直接当たらないようにした。
亮子さんは今頃、何をしているんだろう・・・
一人だといっていたから、今の私と似たようなものかしら?
まゆこは思いをはせた。
まゆこも日中は一人きりだ。
亮子とさほど変わらない状況だと思う。
まゆこは立ち上がって、クイックルワイパーを出してきた。
シートをセットすると、部屋中を拭いていく。
「やらなくちゃ」と思わなくていいと雄二は言ってくれるが、
今日はなんだか調子がいいせいか、ふと思い立ったのだ。
いつもよりシートが軽く、すべるように感じる。
ある程度終わり、片付けてしまうと、まゆこはスッキリした気分になった。
相変わらず、無駄のないきれいな部屋。
ゴミは雄二が出していってくれたし、
洗濯物も今日はすでに干してある。
雄二に頼るところが過分にあるが、
亮子のしっかりとした話ぶりを聞く限り、
きっと似たような部屋にいるんだろうな・・・と思った。
何をしてるんだろう?
テレビでも見てるのかな?
ガチャガチャとしたテレビ番組の苦手な亮子は、
あまりテレビを点けない。
点けても、ボリュームは小さめにして、
観ているというより、眺めているという感じだ。
冷蔵庫から麦茶を出して、グラスに移す。
麦茶を戻してから、グラスを持ってソファに座って一口飲んだ。
冷たい麦茶がノドに心地いい。
ゆっくりと1杯を飲み終えると、流しに運んでグラスを洗った。
水を浴びてキラキラとしたグラスがきれいだ。
少し眠ろう・・・
まゆこはソファに横になると、クッションを抱えて目を閉じた。
(つづく)