<白い壁:第二章・・・11>
今日は診察日か・・・
いつも通りの朝食を終えると、食器を洗いながらまゆこは思った。
メイクをしていきたいけど、あの芳子からの電話の一件以来、
あまり調子がよくない・・・
今日はいつも通りでいいか。
いや、せっかくだからがんばって・・・
「がんばって」
まゆこが時々口にする言葉。
雄二はその度に「がんばる必要はない」と言ってくれる。
それを思い出して、「がんばる必要はないか」と思い直した。
今日も暑くなりそうだ。
日焼け止めだけはちゃんと塗っていかないと・・・
クローゼットを開けて、今日のワンピースを取り出す。
紺地に白い水玉の、少しクラシカルなワンピース。
暑くなるなら、髪くらいはまとめていこう。
まだ早い時間から、準備のことを考えている。
これはまゆこのクセだ。
どうしても、予定より早く用意して、家を出る時間を待つことになる。
遅れちゃいけないから・・・早く行けば早く診てもらえることがあるから・・・
理由はそんな程度だが、雄二にはいつも言われる。
「もっとゆっくりでいいんだよ」
でもどうしても、早めになってしまうのは、病気のせいだろうか?
何かに焦らせられているのか?
いやいや、そんなことはないだろう・・・
ただのまゆこの性質なだけだ。
着替えるにしても、まだ時間が早い。
少し休もう。
まゆこはソファに横になった。
(つづく)