<白い壁:第二章・・・18>
会社からメールが届いていた。
亮子の様子を伺う内容のメールだ。
電話でないだけよかったと思った。
電話では、相手もどう話していいか悩むだろうし。
「予定通り11月には復帰します」
そんな内容の返信を送った。
10月中には、治るだろうという安易な見通しがあったのだ。
あと約1ヶ月とちょっと。
薬を変えてから、調子がいいような気がする亮子には、
自信があったのだ。
私は治る。いや、治す。
その考えが甘いこととは全く思わず、
妙な自信にあふれていた。
あれから、一応、洗濯も食器洗いもしている。
面倒に思うこともあるけれど、一度決めたことだから、
実行しているのだ。
ただ、時々、無性にいらいらするときがある。
「なんでこんな生活を送らなくちゃいけないよ!」
そう叫びたいくらいに。
実は、あと1ヶ月で治るなんて無理・・・そう思う自分がいる。
でもそうも言っていられない。
会社に私の居場所がなくなってしまう。
私の地位も、立場も、以前と同じものでなければいけない。
だから、会社には閑職への異動願いは出していない。
病気は治って復帰するんだから、その必要はないと思っている。
本当に甘い、本当に、本当に甘い考えだったと気づくのは、
もう少し先になるが・・・
(つづく)