こんにちは、お守り研究家の中津川昌弘です。お守りの本を出版し、マツコの知らない世界で「お守り研究家」として出演しました。また、アプリも作成していますので、ダウンロードしてね。
小さいけれどすごい神社シリーズの3社目は荒川区にある素盞雄神社です。
素盞雄(すさのお)大神を祀る神社ですが、素戔嗚尊、須佐之男命などの表記もある神様です。
日本書紀、古事記などで表記が異なるのでいろいろな漢字が割り当てられていますが、同じ神様です。日本書紀の中だけでもいろいろな表記があります。
ただ素戔嗚尊は牛頭天王(ごずてんのう)と同一視され、明治以前の神仏習合時代は、牛頭天王として祀られていたところも多いのです。その多くは京都の祇園祭をはじめとする疫病除のお祭りが行われており、天王祭と呼ばれているところも多いです。
さて、この神社、何がすごいというのかというと、本殿内部にある石がすごいパワーだと言うことです。写真を見ると瑞光殿という額がありますから、これが瑞光石なのでしょうか?
境内の富士塚の所に瑞光石の説明書きがあり、瑞光石の周りに玉垣を築き浅間神社を祀ったとあります。そのことからも、瑞光石は富士塚のほうにあると思われます。
左側の掛け軸には、「中今(なかいま)」と書かれています。
中今とは、自分たちは、太古の昔から続く先祖から、未来永劫続く子孫の間にいるという考えです。
今を一生懸命生きるという意味ですが、祖先が有っての今ですし、これは子孫にも受け継いでいかなければならないのです。自分だけのものでは無いということです。
こちらの神社、神社のパワーばかり注目されますが、授与品から垣間見れる祭祀に対する取り組み方が何より素晴らしいと感じます。
実は有る授与品を書籍で紹介するときに、それは「数が少なく氏子の分だけでなくなってしまうから」と言う理由で断られてしまいました。しかし、その氏子を大切にする姿勢が素晴らしいと感じました。こちらの神社のポスターには、氏子区域の町名が書かれたものがあり、こういった取り組みも是非全国の神社でやって欲しいと思うことです。(ちなみに、その書籍には別のお守りを紹介させて頂きましたが、そちらもとても特別なお守りです。)
お賽銭は、お賽銭箱に投げ入れるものだと思っていませんか?
それは大きな間違いで、神様へのお供えなので、本当は包んで奉納しなければなりません。こちらは、お賽銭を半紙で包めるように備え付けられています。
神社の職員からしたら、包んであるお賽銭を開き、ゴミも出ると思いますが、
こういう所からも、神様への姿勢が素晴らしいと思います。
先ほど説明した富士塚です。
富士塚は富士山信仰から来ていて、富士山から運んできた溶岩などを積み、ミニチュア富士を築き、自分の村でも同様に拝もうと江戸時代に流行りました。
富士山のご祭神が浅間神社(木花開耶姫)なので、富士塚には浅間神社が祀られています。
現存する富士塚はかなり減ってしまいましたが、江戸時代は至る所にあったそうです。
境内社です。
神仏習合時代の仏像などが残っています。
江戸は庚申信仰が盛んだったようで、都内には至る所に庚申塚が残っています。また、今でもしっかり祀られているところも多いと思います。
未だに昔の面影が残る良い神社です。駅から少し遠いのですが、是非訪れてみて下さい。
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