母が亡くなったあとの話
母が亡くなった後 病院に迎えに行き病院から葬儀場へと家族と一緒に移動した。
到着後すぐに葬儀場の担当者と葬儀の打ち合わせがはじまる
母の希望は費用を抑えて葬儀すら簡略化し直ぐに火葬する直葬だったが兄が会社の上層部なのでそういうわけにはいかず 葬儀だけは通常通りに行う事になった
私がひとつだけわがままを聞いてもらった事
死装束はドレスににしてほしいということ
生前 母が言っていたことだったからだ
1度もきたことがないドレスを着て父のところへ行きたい
このかわいい気持ちを大切にしたかった
この話をした時に エンバーミングという処置をはじめて知った
費用はかかるが 顔も生前に近づけられるし特別な処置をするため ドライアイスで冷やす必要もない
母の顔は苦しい苦しい顔だったから 表情も変えられると聞き お願いする事にした
この処置をお願いしたため 1日母はその処置をするところへ行く事になり なんともいえない1日をみんな自宅で過ごす事になった
母が葬儀場へ戻って来て棺の中を見た時 姉と2人で笑顔になってしまった
泣きながら 嬉しくて笑顔になった
あの苦しい顔ではなく いつもの少し笑っているような口元 痩せこけていた頬もふっくりしていて 手が柔らかくて握ることもできる
肌はスベスベで柔らかくて なんだか不思議な気もちになった
お化粧の色とかも希望通りにしてくれていた
更にはピンクのドレスにパールのようなネックレスにブレスレット 更にはベールまでつけてくれていた
この顔を見て なんだかホッとしてしまった
なんだかホッとした上に かわいいから姉と変態かもしれないといいながら 母と3人で写真を撮ってしまった
冷やすためのドライアイスも必要ないため 棺の蓋は外しておける
冷やしていないから 遺体が冷たくない
通夜の後は棺の蓋も開けたままにできたので 本当に眠っているようだった
みんなで手を握ったり 頬に触ったりして夜は過ごした
母の孫、ひ孫達も ばーちゃんかわいいって顔を撫でていた
あの苦しい表情を見せずに済んで本当に良かったと思った
あんな処置がある事をはじめて知ったけど あんなに可愛く奇麗な顔で送り出せたのは せめてもの救いだった