利き手は
人間にしか存在しません


他の動物には利き手はないのに、


人間は(世界中どこでも)
90%の人は右利きです。


なぜ、右利きの人が
これだけ多いのでしょうか?


その秘密は脳にあるというのが、
最も有力な説です。



考古学の発見・研究から
原始時代には、
「利き手が存在していなかった」

ことがわかっています。

つまり、人類が誕生してからしばらくの間は
「利き手というものはなかった」。



いつ利き手が誕生したのでしょうか?


実は、この右利きの誕生は、
人類が世界の動物を駆逐し始めた
7万年前あたりだと言われています。

 

今から240万年前に生きていた最古の人類の一種

「ホモ・ハビリス」

が生きていた時まで遡ります。


彼らが住んでいたのはアフリカ・タンザニア。

 

 

発掘された180万年前の

ホモ・ハビリスの歯の化石から
人類最古の利き手を示す証拠が。

 

 

前歯の表面にある細かいキズ

 


そのキズの方向から、

食べ物を左手で持ってくわえて、

右手に持った石の斧で切った

と考えることが出来るのです。


つまりそのキズの方向から、

右利きだったと推測。

 


ただこの時代の時点で、

右利きの割合はまだ6割程度。

 

 

 

アルゼンチンには

「手の洞窟」

という800を超える手形が付けられた壁画

で有名な洞窟があります。


世界遺産にもなっており、

これらの手形はおよそ2500年前に付けられたもの。

 

 

お気づきいただけたでしょうか?


その手形はほとんどが左手です。

 


右手でパイプを持って

塗料を吹き付けると

左手の手形が出来上がることから、

右利きであったとの証拠。


となると、

2500年前のアルゼンチンにいた

古代人は9割が右利きに。

 

 

ホモ・ハビリスでは6割だったものが

何をきっかけにして9割にまで右利きに?

 


「狩り」です

 


進化するにつれて、

ヒトは集団で生活をして、

狩りをするようになりました。

 


その時に必要な能力があります。
それはコミュニケーション(言葉)。

 

 

 

人間の脳の部位は

それぞれ担う働きが違います。


人間の脳は肉眼的に左右対称ですが、

機能的には右脳と左脳に分かれています。

 


運動機能に関して、

右半身を左脳、

左半身を右脳が動かしています。


さらに、言葉の機能に関しても

左右で分かれています。

 

 

 

右脳は音を感じます。

左脳には聞いた音を言葉に結びつける

ウェルニッケ野が側頭葉に

 

言葉を音として発生させる

ブローカー野が前頭葉にあります。

 

高いMRIだと活動させて、脳のどの領域が活性化しているかがわかります。

fMRIといいます。


ヒトはたくさん喋るにつれて

左脳の言語野が発達

 


そうなってくると、

右手右足を使うのがどんどん上手くなっていった。
それで、右利きが増えて行った。

という説が有力です。

 

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