日本経済の罠―なぜ日本は長期低迷を抜け出せないのか/小林 慶一郎
注意今回は少しマニアックで、すいません
経済に興味の無い方は読み飛ばして
もらって構いません


「失われた10年」 「失われた15年」
去年から 日本経済は上向きという認識を
政府が発表し15年にわたる日本経済の
長期低迷は脱出したということになったようですが

バブル崩壊から経済の建て直しを図るのに
これほどの期間を要した
その原因は何だったのかというのが
この本の主題です

まずバブル経済の原因については諸説
あるようですが
筆者は土地の価格上昇を前提とした
土地神話のもとで不動産の買い増しを
続ける結果どんどん地価が上昇する
という状態が続いたことにあるとしている

そしていったん地価の下落が起これば
企業会計上 減損処理によって純資産を
圧縮してしまう

純資産が減少すれば銀行からの融資が受けづらく
なるため資金調達が困難に
その結果 経済全体の有効需要が縮小し
土地等の収益性が落ち さらなる時下の下落を招く
というファイナンシャル・アクセレレーター(金融増幅効果)
がはたらいてしまい
結果としてバブルの崩壊が起こる としています
(尚、ここでクルーグマンの通貨危機説との類似性に
ついて書いているあたりもなかなか面白かった)

このあたりは学説等も細かく検証しながら
たいへんわかりやすい説明になっています


問題はここからで
ではなぜバブル崩壊後の経済回復に15年も要したか

まず、当局では経済刺激策(ケインズ)をとればすぐにも
経済は持ち直すとの楽観的な立場にあったこと
さらに、ケインズの経済刺激策はあくまで短期的な
政策であり、不況の長期化にたいする施策について
教科書となるものはなく官僚達も手をこまねいていた
ことが原因だったとしています


ちなみに著者は通産省の官僚さんですが
初心者向けにとてもわかり易く書いております
あまり詳しくない自分にもよく理解ができました


「長期にわたる低迷の原因(ゲーム理論を用いて)」や
「不良債権処理の先送り」等
後半にも面白いないようがありますが
<後編>でご紹介したいと思います