【1375】雪国まいたけ(東証プライム) OP
現在値 971円/100株 P/E 24.9 P/B 3.53 3月配当優待
マイタケ、マッシュルーム軸にキノコ量産。神明HDと西日本開拓。
配当は3月末・9月末の計12円配のため、配当利回りは1.24%となります。
雪国まいたけは株主優待制度を実施しており、3月末時点で半年以上保有を継続する単元株を保有する株主に対して、3,000円相当のきのこ詰め合わせを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.32%となります。
業績を確認していきます。
■2022年3月期 売上高 470億円、営業利益 49.7億円、EPS 74.9円
■2023年3月期 売上高 422億円、営業利益 21.9億円、EPS 29.6円
■2024年3月期 売上高 474億円、営業利益 28.1億円、EPS 34.0円
■2025年3月期 売上高 499億円、営業利益 26.2億円、EPS 38.8円 ce
□2024年6月1Q 売上高 101億円、営業利益▲0.7億円、EPS▲2.32円(8/8)
□2024年9月2Q 売上高 193億円、営業利益 10.0億円、EPS 13.3円 四e
2024年3月期の売上高はYoY+12.5%の474億円、営業利益はYoY+28.3%の28.1億円となり、対前・対期初計画で大幅な増収増益となりました。夏場の気候変動による生産量低下や他社(ホクトを指す)新工場稼働による需給悪化影響の一巡により、主力の舞茸を中心にきのこ類の市価が回復しました。利益面についても、人件費や原材料高騰があったものの、各種エネルギーコスト増加が想定以下となり、一段増となりました。
進行期である2025年3月期の予算は売上高がYoY+5.3%の499億円、営業利益はYoY▲6.8%の26.2億円を予想しています。市況供給量の安定により、舞茸・エリンギ・ぶなしめじといった主力商品の市価の安定推移が見込まれるほか、新商材“極白”投入による上乗せが寄与します。他方で利益面については、パック量目変更による採算性向上が見込まれるものの、人件費増やIFRSの公正価値変動(通期でほぼ平準化見込)による原価増を織り込み減益を見込みます。
当社は2026年3月期を最終年度とする5ヵ年中計で売上高を345億円→600億円に、コアEBITDAマージン比を29.7%→20%にマイナス成長する計画を立てていたものの、他社競合の激化や原価高騰といった外部環境の激変もあり、昨年末に減額ローリングしています。ロール後は計画終期を2028年3月期に延ばした上で、売上高334億円→420億円(CAGR7%+)、コアEBITDAマージン比14.4%→約18%に成長モメンタムを大きく下方修正しています。
取組事項は概ね据え置いており、①茸事業強化、②生産体制見直し、③海外ほか事業領域拡大の3軸を挙げています。①は国内過半のシェアを握る舞茸事業の地位の向上を目指し、プレミアムを付与されている市価の維持を目指します。このプレミアムを最大限生かすべく高単価ラインの白舞茸“極白”を上市させたほか、買収した三蔵農林のマッシュルーム(高単価・生産量少)事業を拡大します。また、売上の季節偏重性の穴埋めが期待される茸代替肉の開発・拡販も急ぎます。
⓶は全社横断的なBPRを進める方針であり、舞茸工場FA化による工場の人員削減(▲200人/4年)のほか、高単価商材の拡販に営業・生産リソースをシフトします。③の海外については、ASEAN域(推計SAM2,400億円)には国産のプレミアム茸の輸出・現地生産拠点の開設を目指す一方、マッシュルーム等の西洋茸中心の欧米域(推計SAM5,800億円)については、昨年末に蘭・オークフィールド・シャンピニオンズ(年商19億円)を買収し、欧州展開の本格化に向けた橋頭保を築いています。
なお財務の状況については、自己資本比率は30%と一定水準にあるものの、旧雪国まいたけをベインキャピタルが非上場化した際に発生した自己創設のれん(と三蔵農林・蘭オークフィールド起因ののれん)が59億円程B/Sに横たわっており、のれんを控除した実態ベースの同比率は14~15%程と試算されます。なお配当については、配当性向30%基準で1円の増配となる年12円配を見込んでいます。
*参考記事① 2023-08-11 922円 OP
【1375】雪国まいたけ/他社との競合激化で業績急悪化も、代替肉開発成功でアップサイドに期待。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
にほんブログ村