【3479】ティーケーピー/リリカラ子会社化に続き、ノバレーゼも持分法適用化。本業も回復顕著。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3479】ティーケーピー(東証グロース) BY

現在値 1,539円/100株  P/E 11.7  P/B 1.55  2月無配 株主優待なし


貸会議室大手。遊休不動産の一括借り上げ、小分け活用で成長。貸オフィス、ホテルも展開

配当基準日は2月末・8月末の年2回ですが、配当実績はなく無配予想となります。
 

ティーケーピーは株主優待制度を導入しており、2月末現在の単元株主に対して10,000円相当の自社優待券を進呈しておりますので、(配当)優待利回りは約6.49%となります。

業績を確認していきます。

■2022年2月期 売上高 446億円、営業利益▲8.8億円、EPS▲79.1円  

■2023年2月期 売上高 505億円、営業利益 35.7億円、EPS▲118.3円

■2024年2月期 売上高 365億円、営業利益 46.0億円、EPS 166.8円

■2025年2月期 売上高 620億円、営業利益 82.0億円、EPS 131.4円 ce修正(7/11)
□2024年5月1Q 売上高 105億円、営業利益 16.9億円、EPS 44.7円(7/11)   

□2024年8月2Q 売上高 215億円、営業利益 35.0億円、EPS 57.4円 四e

2024年2月期の売上高はYoY▲27.6%の365億円、営業利益はYoY+28.9%の46.0億円となり、増益ながらも予算未達となりました。昨年2月のリージャス売却により大幅減収(影響額▲200億円)となったものの、対面需要回復で会議室の稼働率が改善し、連れて料飲も回復したほか、訪日客増のホテルも好調に推移し、“リージャス除き”では13%程の増収となりました。利益面については、赤字のリージャス連結除外効果があったものの、人件費や外注費が想定超となりました。


進行期である2025年2月期の通期見通しは1Q時点で増額しており、売上高がYoY+69.7%の620億円(期予:450億円)、営業利益がYoY+77.5%の82.0億円(期予:73.5億円)に修正しています。主力の会議室事業の回復が継続しており、ダイナミックプライシングの奏功で1Qの月坪効率はYoY+5,392円の39,079円まで急伸しています。ホテルも既存館の好調持続のほか、京都五条大宮、熱海桃山、帯広、函館等の新規開業も寄与します。なお、当初計画外でリリカラの新規連結効果とノバレーゼの持分法適用化(※後述)を織り込んでいます。

 

当社は2023年4月公表の3年中計で、最終年度の2026年2月期までに売上高を505億円→575億円、営業利益を35.7億円→94.0億円に引き上げる計画としています。①会議室事業の強化、②宿泊事業の積極展開の2点を掲げているほか、併せて③M&Aの活用による領域拡大を図る方針です。

 

①会議室事業については、需要の高い都心部のオフィス空室率が高止まりしていることを背景とした大量出店とダイナミックプライシングの“合わせ技”で、貸面積を65,085坪から79,000坪に、月坪効率を37,558円から41,000円に引き上げる計画です。このほか、料飲の内製化による採算性の向上や、DX活用による生産性向上と高付加価値化を図ります。➁の宿泊事業については、向こう3ヵ年でアパホテルに代表されるビジネスホテルを中心に、リゾートブランドの“石のや”など計10棟を出店します。

 

③M&Aについては、5月にインテリア卸大手のリリカラ(9827)にTOBをかけており、創業者の山田一族から22億円程で株を買い取って子会社化しています。オフィスやホテル内装によるシナジー効果だけでなく、黒字企業(年商350億円/営業益10億円)のため業績にそのまま直結します。また、6月には31億円を投じて結婚式場運営のノバレーゼ(9160)株式を投資ファンドのポラリスより取得し、持分33%の持分法適用会社に収めています。

 

なお財務状況については、長短合わせて300億円程の借入金があるものの、手許現金でおおよそネットしており、自己資本比率は52.2%と高水準を維持しています。その一方、株主還元については、今次中計期間では投資優先を掲げており、実際に多くのM&Aを繰り出していることから、次年度までは無配による財務温存策が採られる公算が高そうです。
 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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