【3922】PR TIMES(東証プライム) OP
現在値 1,797円/100株 P/E 18.9 P/B 4.04 2月無配 株主優待あり
プレスリリース配信サイト「PR TIMES」を運営。原稿制作など関連サービス手がける。
配当基準日は2月末・8月末となるものの、無配予想となっています。
PR TIMESは株主優待制度を実施しており、半年以上継続保有する単元株主に対して、5,000円相当の選択式株主優待を進呈しているため、(配当)優待利回りは約2.78%となります。
業績は下記の通りとなっております。
■2022年2月期 売上高 48.5億円、営業利益 18.3億円 EPS 97.0円
■2023年2月期 売上高 57.0億円、営業利益 11.9億円 EPS 58.0円
■2024年2月期 売上高 68.3億円、営業利益 17.4億円 EPS 86.6円
■2025年2月期 売上高 82.0億円、営業利益 19.0億円 EPS 94.9円 ce
□2024年5月1Q 売上高 19.2億円、営業利益 4.8億円 EPS 23.8円(7/11)
□2024年8月2Q 売上高 39.5億円、営業利益 8.4億円 EPS 42.1円 ce
2024年2月期の売上高はYoY+19.8%の68.3億円、営業利益はYoY+46.8%の17.4億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。利用社数は同+14,499社の94,258社に上伸し、連れて月間リリース数も過去最高の34,092件(10月)を記録したほか、プレスリリースのリッチ化による高単価化も進展しました。また、“Jooto”や“tayori”といったSaaSツールも順調に拡大したほか、NAVICUSとグルコースを期中買収(※後述)したことによる上乗せも寄与しました。
進行中の2025年2月期の予算については、売上高がYoY+19.8%の81.8億円、営業利益はYoY+8.8%の19.0億円を見込んでいます。地方拠点の拡大や“STORY”といったリッチコンテンツの拡販を進める計画であり、投資期間という位置付けからR&D費用・広告宣伝費・システム費・海外進出費用等が諸々高水準となるものの、順調なトップライン成長で飲み込むんで増益を確保する見通しです。7月11日に既開示の1Qの売上高は19.2億円&営業益4.8億円と上振れ圏の推移が確認されます。
進行期は4年中計の最終年度となっており、翌2026年2月期迄の4年間で営業利益を13.0億円→35.0億円にまで引き上げるほか、他KPIとして国内利用社数を50,663社→150,000社に、月間サイト閲覧数を52百万PV→100百万PVに、都道府県業務提携数を25→47に其々引き上げる計画としています。会社側推計TAMは2025年時点で319万社のため、5%の利用率を鑑みれば成長余地が認められるものの、それでも目標営業益の35億円は過大であり、未達確実とみられます。
国内事業については、地方開拓を進める方針であり、地銀・信金といった地域金融機関との提携&3回分無料による新規顧客獲得施策を実施しています。足許の提携先は既に45都道府県まで拡大しているものの、中規模企業以上の多い大都市圏を深耕する方針であり、進行期には関西支社と東海支社を新設します。
他方、背景訴求型の高単価施策の“STORY”が伸び悩んでいるほか、SaaS事業のタスク管理ツールの“Jooto”や顧客サポートツールの“tayori”については、大局的には緩やかな右肩上がりとなっているものの、会員増&単価減ないしは会員減&単価増などムラのある状況です。このほかの取り組みとして、昨年2件のM&Aを実施しており、SNSマーケ支援のNAVICUS(年商5.5億円/利益僅少)を0.7億円で、システム開発のグルコース(年商1.8億円/利益僅少)を2.3億円で傘下に収めています。
財務の状況については、自己資本比率85%&ネットキャッシュ43億円(無借金)と盤石な状態が続いているものの、会社側では今次中計期間(~2026年2月期)は先行投資期間として無配を見込んでいます。それでも流通時価総額基準でプライム市場上場基準を満たしておらず、足許株価で▲200円程度の差があることから、配当ないし株主優待の拡充等による施策が繰り出される可能性もありそうです。
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