みなさんは「DIE WITH ZERO」を読まれましたでしょうか。発売して日の経ったベストセラー作品であり、読了済の方も多いと思いますが、お恥ずかしながら私は最近読みました(笑)。
既にネット上には多くの書評が溢れかえっており、概ね私も著者や多くの読者の意見に同意するところではありますが、個人的に心の残ったのは①金を時間に変える、②思い出の配当、③金を遣うなら45~60歳が最適、という3点です。
①の金を時間に変えるという点は、本書を読む前から意識的に実践しており、たとえば時間節約のためにタクシーを積極的に使ったりしています。飲み会後も早く寝て睡眠時間を確保したいので、まだ電車がある時間でも平気でタクシーを使います。
あとはネットで物を買う時でも、色々なサイトを回ったり、ポイントが増えるセールを待ったり、メリカリで出物を待ったりすることなく、躊躇なくAmazonで即買いします。
➁思い出の配当、という表現も投資家には特に刺さる言い回しだと思います。これは文字通り、使うべき時に金を使って、以後はその記憶の中から“思い出”という名の配当を継続的に受け取りましょう、という意味です。
最近配当といえば、少しでも小銭を溜めて高配当株の端株を購入→年間受取配当金をちょっと増やす→配当金管理アプリを見てニヤニヤ・・・といったムーブが流行っています。小銭も直ぐに投資に回したくなる癖がつくので、こと資産形成の観点では大変良いと思いますが、次第に小銭も大銭も使うのが惜しくなるので、消費性向が低くなりやすく、金のかかる“思い出”は溜まりにくくなります。
年間受取配当金だけは成長するものの、自分は全然成長しておらず、RPGでいうと「年齢のわりにレベルアップ(成熟)してないけど、ゴールドだけは人一倍持ってる勇者」みたいな感じといえます。お金は意識的に“思い出”作りにも回したいところです。
③金を遣うなら45~60歳が最適、というのは健康寿命との兼ね合いで、一般的に思われてるよりはもっと早めに金を使い始めましょう、という意味です。私はまだこのレンジの下限にも入っていない“若年おじさん層”ですが、(日頃の暴飲で)長生き出来る気がしないので、フライングして消費モードに入っています。
たとえば旅行や遠出、高額な飲食店(例:高額チャージ&1杯3千円超、みたいなホテルのバーが特に好物です)にも躊躇なく行きますが、金を使い過ぎたことを後悔したことは一度も無いです。むしろ30代半ばとか、いまより少しでも感受性の高いうちに早くやっておくべきだったとそっちの意味で後悔したりします。
シニアになって金満大名旅行をしても、体力的に大して回れないし、美味しいものもそんなに食べれないし、そこから先の人生で人と旅行の思い出話をすることも減るので、著しく効用が落ちます。逆に少しでも若いうちに旅行いけば、全部この逆の話なので、そこまでお金をかけずとも非常に高い効用が期待できます。
尤も、若い時はそんなにお金が無いので、お金・時間・健康の三要素はいつもどれかが欠ける”堂々巡り“に繋がってしまうのですが・・・それは一旦さておくとして。
まぁそんな感じで、この3点が特に印象に残りました。金を増やすのは人より多少は上手でも、減らすのはさっぱりヘタクソな個人投資家さんは(私を含め)非常に多いかと思いますので、上手に減らすための入門書として良著だと思います。まだ読んでない方は、是非ご一読されることをおすすめします(おわり)