【7625】グローバルダイニング/権八を中心に既存店が想定超の急回復、後継者問題が気掛かり。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7625】グローバルダイニング(東証スタンダード)  BY

現在値 474円/100株   P/E 8.24  P/B 1.16 6月優待 12月無配優待

都内軸にラボエムなど和洋食のダイニングレストランを展開、米国にも。
配当基準日は6月末・12月末の年2回ながらも無配予想となっています。


グローバルダイニングは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末現在の5単元株主に対して、自社飲食店割引カード(15%引き)を進呈しています。

業績を確認していきます。

■2020年12月期 売上高 56.6億円、営業利益▲11.7億円 EPS▲147.6円 

■2021年12月期 売上高 95.7億円、営業利益 7.2億円 EPS 101.3円 

■2022年12月期 売上高 95.5億円、営業利益 2.2億円 EPS 21.5円 

■2023年12月期 売上高 109.8億円、営業利益 5.6億円 EPS 57.6円 ce修正

□2023年6月2Q 売上高 53.8億円、営業利益 2.6億円 EPS 28.1円 

□2023年9月3Q 売上高 81.9億円、営業利益 4.0億円 EPS 41.5円(10/31) 
 

2023年6月中間期の売上高はYoY+17.3%の53.8億円、営業利益はYoY*13倍の2.6億円となり、大幅な増収増益となりました。正常化による人流回復で既存店売上高は128.2%と高水準となったほか、特に旗艦店の西麻布を中心にインバウンド回復の追い風を受けた権八が同170.1%と記録的な伸びを示しました。また、ラボエムやモンスーンといった主力業態も軒並み2桁増となり、人件費増で減収減益となった米国をカバーし、全社では大幅な増収増益となりました。

 

なお2023年12月期の通期予想は2Q前に増額しており、売上高がYoY+14.9%の109.8億円(期予:100.0億円)、営業利益はYoY*2.5倍の5.6億円(期予:3.0億円)に修正しています。上期のインバウンド取込が想定超だったことから、特に権八の売上予想を中心に増額した一方、上期減収の米国を減額しています。また、利益面もトップライン上伸で増額したものの、食材原価や光熱費の高騰を相当程度織り込んでおり、コンサバな想定となっています。なお、10月31日開示済の3Qは売上高81.9億円&営業益4.0億円で進捗しています。

 

当社は中長期的な業績目標を公表していません。柱の国内事業は、既存店の採算性向上策を推進する方針であり、食材原価や人件費、エネルギーコスト上昇を吸収するため、業務標準化やDX化、人材引き止めのための人事制度改革等を実施します。出店計画は無い一方、2021年に出店した名古屋・ノリタケガーデンのラボエム新店は早くも閉店しており、イオンモール等のSC型出店は頓挫しています。

 

海外事業は、ウエストハリウッドのラボエムが全米ロマンチックレストラン100選(CAでは7選)に選出される程の人気店に成長しているものの、急激な円安と歪んだ行政方針で市内最低時給が高騰(2,900円~/h)しているため、採算性が急速に悪化しています。そのため、行政当局への是正働きかけを継続するほか、サンタモニカの1212の営業床増床やDowntown LAに3店舗目になる新店開業によりスケール拡大を図ります。

 

財務面については、新型肺炎禍でも通常営業を続けてきたこともあり、特段の助成金収入はなかったものの、自己資本比率は54.3%とネット無借金に好財務となっています。当社はここ10年以上配当を実施していないものの、いよいよ株主還元開始が意識される頃合いですが、当社株の6割強を握るカリスマ創業者の長谷川耕造氏が御年73歳で、これといった後継者も居ないことから、会社売却を含めての総合判断になろうかと思われます。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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