【5032】ANYCOLOR(東証プライム) BY
現在値 3,435円/100株 P/E 23.6 P/B 13.2 4月無配 株主優待なし
ライブ配信などを行うVチューバーグループ「にじさんじ」を運営。グッズが収益源。
配当基準日は4月末ですが、無配予想となっています。
ANYCOLORは株主優待制度を実施していません。
業績を確認していきます。当社は2023年3月のIPO銘柄です。
■2021年4月期 売上高 76.3億円、営業利益 14.5億円 EPS 15.5円
■2022年4月期 売上高 141.6億円、営業利益 41.9億円 EPS 46.6円
■2023年4月期 売上高 253.1億円、営業利益 94.1億円 EPS 110.8円
■2024年4月期 売上高 330.0億円、営業利益 127.0億円 EPS 291.2円 ce
□2023年7月1Q 売上高 89.4億円、営業利益 40.4億円 EPS 45.0円(9/14)
□2023年10月2Q 売上高 119.7億円、営業利益 43.1億円 EPS 49.8円 四e
2023年4月期の売上高はYoY+78.9%の253.1億円、営業利益は同*2.2倍の94.1億円となり、3Q時の再増額見通しを更に上回って着地しました。在籍VTuber数はYoY+27名の156名、ID数はYoY+75%の934千名と続伸した一方、ショート動画シフトの潮流でYouTube再生時間はYoY+6.8%の187Mhと伸び一服となりました。特にLuxiemやNoctyxといった直近デビュー組の牽引で、英語圏のENが続急伸したほか、5周年記念商材やタロットといったグッズやプロモーション分野が好調に推移しました。
進行期である2024年4月期の予算については、売上高はYoY+30.2%の330.0億円、営業利益は同+34.9%の127.0億円と3割程の増収増益を予想しています。集客施策非実施のENが伸び悩んでいるものの、にじさんじは既存VTuberユニットのChroNoiR、 ROF-MAOが好調なほか、4周年記念ライブや甲子園関連のグッズ販売も堅調に推移しており、このほかゲームとのコラボ(プロモーション)の引き合いも順調に増加しています。なお、9月14日に開示済の1Qは売上高89.4億円&営業益40.4億円と強含みで推移しています。
当社は中計等で定量目標は開示していないものの、TAMとしては年率2割と非常に強い市場成長の続く国内アニメ市場1.4兆円(うち当社事業対象としてSAMは0.8~0.9兆円)を想定しているほか、これに加えて合計2.6兆円の動画広告・国内音楽・海外アニメ市場の取り込みを志向しています。当面の取組事項としては、①ユニット展開強化、②バーチャルタレントアカデミー(VTA)強化、③コンテンツ製作強化の3点を挙げています。
①については、複数VTuberでユニットを組成し、楽曲配信や番組&イベント、グッズ展開をすることで、1営業施策に対する集客効率向上を図るほか、ファンの“相乗り”といった相乗効果を目論みます。②はVTAは歌唱や演技、企画指導といったVTuber育成により候補生を養成し、安定的なVTuber新規輩出のための先行投資を進めます。
③のコンテンツ強化は、IPコンテンツとしての特徴を生かし、ライセンスアウト方式によるゲームコラボや各種大会・アミューズメント施設へのキャラ貸出で、高採算のライセンス料の確保だけでなく、ライト層の獲得を図ります。なお、投資論点のひとつである海外展開(EN)については、カバー同様にインドネシア市場の拡大も進めるなどしていますが、海外VTuberの知名度ではカバーが圧倒しているほか、営業施策有無による季節偏重性も大きく、足許までの業績モメンタムが続くかどうかはやや不透明と言えます。
なお財務状況については、2022年6月のIPO時に殆ど資金調達をしていないものの、120億円超のネットキャッシュを有し、自己資本比率も81.9%となっています。設備投資不要の業種のため、特段の資金需要は今後も発生しないとみられることから、早期の株主還元(配当開始)も可能と解されます。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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