【2664】カワチ薬品(東証プライム) OP
現在値 2,493円/100株 P/E 13.2 P/B 0.52 3月配当 株主優待あり
栃木・北関東が地盤のドラッグ。売り場面積1,300㎡以上の超大型店が特徴。
配当金は3月末一括の年50円のため、配当利回りは約2.01%となります。
カワチ薬品は株主優待制度を実施しており、3月末に単元株を保有する株主に対して、自社商品券5,000円分を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.01%となります。
業績を確認していきます。2023年3月期より新収益認識基準に移行しています。
■2021年3月期 売上高 2,844億円、営業利益 105億円 EPS 318円
■2022年3月期 売上高 2,794億円、営業利益 77.0億円 EPS 216円
■2023年3月期 売上高 2,818億円、営業利益 66.1億円 EPS 187円 新収益
■2024年3月期 売上高 2,865億円、営業利益 60.0億円 EPS 188円 ce
□2023年6月1Q 売上高 705億円、営業利益 17.5億円 EPS 58.8円(7/26)
□2023年9月2Q 売上高 1,461億円、営業利益 37.0億円 EPS 114円 ce
2023年3月期は新収益認識基準に移行で単純比較出来ないものの、売上高はYoY+0.1%の2,818億円、営業利益は同▲14.2%の66.1億円となり、対前・対予算で減益となりました。“巣ごもり特需”の剥落や、商品売価上昇で消費者の生活防衛意識が既存店売上高は0.2%に留まったほか、水道光熱費の高騰で店舗運営経費が一段増となりました。なお、出退店については、出店11・退店2で純増9となり、期末の店舗数は364店となりました。
進行期である2024年3月期の予算については、売上高はYoY+1.6%の2,865億円、営業利益は同▲9.2%の60.0億円と連続減益を見込んでいます。出店は純増14と出店超を見込むものの、インフレを背景とした顧客の節約志向の継続や、ロードサイド立地の多い当社店舗はガソリン代の高騰が色濃く影響します。そのため、売価高騰にも拘わらず9月分までの半年分が開示済の既存電売上高は101.2%と前年並みに留まっているものの、7月26日に開示済の1Qは売上高705億円&営業益17.5億円と好進捗となっており、足許のエネルギー価格一服が採算性改善に寄与しています。
当社はこの2024年3月期を最終年度とする3年中計で、売上高3,000億円とROE6.0%を目標としていましたが、達成を2年先送りした上に、ROE目標を5.0%(進行期の予想ROE3.9%)に減額ロールしています。今次中計の取組事項は、①出店強化、②物流&システム改革、③DX推進の3点を挙げています。①の出店については店舗数400店をKPIとし、地盤の北関東を中心としたドミナント出店を強化するほか、既存店も調剤薬局の併設率の向上により、“買い回り”の取込を強化します。
②は物流システム刷新を契機に、POSの改良や自動発注、AI活用による稼働計画の精度向上、間接部門の効率化を推進します。また、本年2月に従来比2倍の対応能力を有する新物流センター(7.5千坪弱)を栃木県野木町に開設しており、モダン化による生産性向上だけでなく、中長期の出店増に耐えうるDC能力を拡充しています。③のDX推進は、省力化した新型POSレジの導入や、本年1月よりポイントカードを軸とした会員アプリをリリースしており、顧客エンゲージメントを強化しています。
財務状況については、実質無借金経営でネット200億円程の現金同等物を丸抱えしており、自己資本比率は54.3%と高水準を維持しています。他方、株主還元については長らく年50円配当を据え置いて還元意欲が薄く(配当性向26.5%)、これはオーナーの河内家側の資金需要がさほどないものとみられます。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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