【7832】バンダイナムコホールディングス(東証プライム) OP
現在値 3,242円/100株 P/E 23.5 P/B 3.28 3月配当優待 9月配当
バンダイとナムコが経営統合、玩具首位級。ゲーム、娯楽施設ほか総合エンタメ企業。
(実績)配当は年2回・合計68.7円のため、配当利回りは約2.11%となります。
バンダイナムコホールディングスは株主優待制度を実施しており、3月末に3単元以上(*分割後の優待制度は未公表)を保有する株主に対して、2,000円相当のこども商品券等を進呈しておりますので、想定ベースの配当優待利回りは約2.32%となります。
業績を確認していきます。
■2021年3月期 売上高 7,409億円、営業利益 846億円 EPS 74.2円
■2022年3月期 売上高 8,892億円、営業利益 1,254億円 EPS 140.7円
■2023年3月期 売上高 9,908億円、営業利益 1,164億円 EPS 136.9円
■2024年3月期 売上高 10,000億円、営業利益 1,250億円 EPS 137.8円 ce
□2023年6月1Q 売上高 2,248億円、営業利益 279億円 EPS 33.0円(8/8)
□2023年9月2Q 売上高 4,750億円、営業利益 600億円 EPS 66.6円 ce
2023年3月期の売上高はYoY+11.3%の9,908億円、営業利益はYoY▲7.2%の1,164億円となり、予算上振れも減益となりました。主力のデジタル事業はELDEN RINGの再販が世界2千万枚に達するなど好調だった一方、ドラゴンボールの新作等の低調で評価損計上を強いられ減益となりました。他方で、ワンピースやガンダムが好調だったトイホビー事業は原価高影響をこなして大幅増益となったほか、IP事業も横浜催事の好調が続くガンダム等の牽引で堅調に推移しました。
進行期である2024年3月期の予算については、売上高はYoY+1.0%の10,000億円、営業利益はYoY+7.3%の1,250億円を予想しています。デジタル事業は好調一巡のELDEN RINGをはじめ、好採算の既発タイトル再販の反落が見込まれる一方、デジタル事業は“水星の魔女”による追い風が発現するガンダムの牽引で好調が持続します。他方、IP事業やアミューズメント事業は概ね横ばい圏となります。なお、8月8日に開示済の1Qは売上高2,248億円&営業益279億円であり、当社の保守的な業績見通し傾向を鑑みれば、数字以上に低調と解されます。
当社は2025年3月期を最終年度とする3年中計を策定しており、進行期はその2年度目としての位置付けであり、売上高を7,409億円→11,000億円、営業利益を846億円→1,250億円に引き上げる計画です。今次中計でもIPを軸とした成長戦略としており、具体的には①IPリレーション構築、②IP強化、③IP世界展開、の3軸を挙げるとともに、戦略投資枠として400億円(IP創出、横断IP構想、IPメタバース開発)を投じる方針です。
①は主力IPであるガンダムでガンプラ・アニメ・ゲーム・音楽といった其々の領域でコミュニティ醸成を図り、同一IDで紐付けて、その集合体としてのメタバースを構想しています。昨年はアプリを投入したほか、eスポーツにも参入し、ガンダムIPの最大化を図ります。➁のIP強化は、ユニットの再編やコンテンツファンド活用、外部パートナー協業により、新コンテンツ創出に取り組む方針であり、新旧併せて年40個程度のIP創出を目指します。
③の世界展開は、新ロゴマークへの刷新といったCI変更から、世界的IPに育ったドラゴンボール・ワンピース・ガンダムを中心に、従来型の映画等に限らず、イベント・展示会への積極的に出展します。このほか、UnKown9に代表される海外発IPの創出、世界的にファンが増加するガンプラの供給体制を増強すべく、静岡の既存施設隣地に新工場を建設します(2024年稼働予定)。なお、中計の計数目標自体は、目下1年前倒しの達成を射程に入れている状況のため、少なくとも計画線にあるものと解されます。
株主還元方針については、DOE2%&総還元性向50%を基準に、基礎配当の年20円と業績連動配当の組み合わせで配当額を決定しているため、進行期の業績予想に照らせば、年69円(20円+49円)の配当額が試算されます。
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