【1662】石油資源開発/サハリンⅠは権益維持で安堵、配当は6.6倍の年330円に巨額増配。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1662】石油資源開発(東証プライム) OP 

現在値 5,050円/100株  P/E 4.59 P/B 0.68  3月配当 9月配当優待なし

原油・ガス開発専業。国内の天然ガス田創業が基盤。カナダ・重油事業は売却。

 

今期予想配当金は年2回・合計330円のため、配当利回りは約6.53%となります。
石油資源開発は株主優待制度を実施していません。

業績を確認していきます。

■2020年3月期 売上高 3,188億円、営業利益 142億円 EPS 469円

■2021年3月期 売上高 2,400億円、営業利益 42億円 EPS ▲47円 

■2022年3月期 売上高 2,491億円、営業利益 198億円 EPS ▲545円

■2023年3月変 売上高 3,266億円、営業利益 612億円 EPS 1,100円ce修正(2/10)

□2022年9月2Q 売上高 1,207億円、営業利益 193億円 EPS 573円 

□2022年12月3Q 売上高 2,251億円、営業利益 387億円 EPS 793円(2/10)

 

2022年9月中間期の売上高はYoY+1.9%の1,207億円、営業利益はYoY*2.0倍の193億円となり、予算比は無いものの大幅増益となりました。E&P事業・国内は生産調整の影響で数量減、海外も加オイルサンド事業への参画終了で大幅な数量減となったものの、WTI油価前提(/bbl)が予算73.75$vs実績101.5$、為替前提(¥/$)が予算110.0円vs実績127.4円と大きく有利方向に振れたため、単価効果で大幅増益となりました。またI/U事業についても、LNG調達差益(+25億円)により増益を確保しています。

 

2022年12月期の通期見通しについては、3Qで改めて再増額しており、売上高はYoY+31.1%の3,266億円(期予:2,443億円)、営業利益はYoY*3.1倍の612億円(期予:209億円)に修正しています。E&P事業の数量前提はほぼ据え置く一方、期末までのWTI油価前提(/bbl)を94.2$、為替前提(¥/$)を132.1円に置き直します。それでも4Q単独期間の前提油価は70$&為替は130円に過ぎず、足許で有利方向に振れているため、増額後なお強含みとみられます。また、I/U事業のLNG調達差益も一段と膨らむ公算です。

 

進行期は9ヵ年の中長期計画の初年度となっており、中間年度の2027年3月期に事業利益(≒本社経費控除後経常利益)300億円、最終年度には2031年3月期に500億円の達成を目標とするほか、ROEは同5%→8%へと段階的な引き上げ、E&P比率は同60%→50%へ段階的な引き下げを目指し、資源依存度低下を目指します。また、中長計期間の想定キャッシュイン5,000億円は、成長投資に4,500億円、株主還元に500億円を振り向ける計画となっています。

 

当社は昨年、E&P事業で加シェールガス事業売却と、加オイルサンド事業撤退で大損失を計上してポートフォリオの整理を済ませたため、再投資しやすい状況になっています。新規投資は米タイトオイル開発を進めており、投資額約650億円に対し、進行期の生産量は85万バレルで40億円の営業益貢献、翌期に同100億円の貢献を見込んでいます。このほか、ペトロナスJVのイラク・ガラフ油田(既存)の追加開発、英北海のシーガルの原油・ガス田開発等が投資パイプラインとなっています。

 

カーボンニュートラル志向のCCS/CCUSについては、新潟で三菱ガス化学と協業でCO2活用の事業化を推進するほか、JFEエンジニアリングとはCO2やアンモニア等の輸送・供給インフラの共同検討を進めています。なお、ロシア情勢緊迫化で不透明な状況が続いていたサハリンI(当社が15.285%を出資するSODECOを通して、30%を出資)については、権益が維持の方向性となっており、年間130億円程度の持分利益が“安堵”となる見通しです。

 

株主還元方針については、配当性向30%をベースに還元しており、進行期は一過性要素による押し上げも多いものの、このフォーミュラに従ってYoY+280円の年330円配を見込んでいます。当社は大株主の保有割合維持等の観点から、配当による還元を原則としているため、市況高が配当額にストレートに反映されやすい特性があります。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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