【3067】東京一番フーズ(東証プライム) OP
現在値 481円/100株 P/E 41.5 P/B 3.12 9月無配株主優待 3月株主優待
国産ふぐ専門店「とらふぐ亭」や海鮮料理店を関東で展開。業績は冬に偏重。
配当基準日は9月ですが実績では無配であり、予想も未定となっています。
東京一番フーズは株主優待制度を導入しており、9月末・3月末の5単元株主に対し、税込7,348円の「泳ぎとらふぐコース」1人前の食事券を進呈しておりますので、優待利回りは約6.11%となります。
業績を確認していきます。
■2020年9月期 売上高 39.7億円、営業利益▲5.2億円、EPS▲69.9円
■2021年9月期 売上高 45.1億円、営業利益▲11.0億円、EPS 1.9円
■2022年9月期 売上高 60.6億円、営業利益▲3.6億円、EPS 13.7円
■2023年9月期 売上高 72.5億円、営業利益 1.1億円、EPS 11.4円 ce
□2023年2月2Q 売上高 40.2億円、営業利益 2.5億円、EPS 24.6円 ce
2022年9月期の売上高はYoY+34.2%の60.6億円、営業利益は同YoY+7.4億円の▲3.7億円となり、予算比は無いものの増収増益となりました。主力の飲食事業は、繁忙期の冬場前に緊急事態宣言が解除されたものの、年明けの東京都でまん防措置が採られたため、酒類が伸びずに低調となりました。他方で外販事業は、市中外食業の回復でとらふぐ加工品が伸長したほか、本まぐろ相場の上昇も寄与しました。尚、営業外で6億円の助成金を収受しており、最終利益は黒字を確保しています。
進行期である2023年9月期の予算ついては、売上高がYoY+19.6%の72.5億円、営業利益はYoY+4.8億円の1.1億円と黒字転換を見込みます。主力の飲食事業は、年末年始を跨ぐ繁忙期(1Q・2Q)の行動制限・提供制限が完全解除のほか、インバウンドの回復により2割程の増収を見込むものの、水産品や光熱費原価の高騰で利益回復は鈍い想定です。他方、外販事業については、外食向けのとらふぐ加工品・本マグロが引き続き好調に推移する見通しであり、NYの海外店もインフレや為替影響も寄与し、黒字定着が見込まれます。
当社は中計を公表していないものの、中長期での取組事項として、①養殖強化、②外販強化、③NY店舗強化、④寿し常シナジー、⑤中食強化の5点を挙げています。①・②については、傘下の長崎ファームが平戸市沖合の養殖場でとらふぐ・本マグロ・さば・ぶり・イカの養殖を行っていますが、昨年9月にはHACCP(衛生管理)認証を取得した加工場を整備し、今後はNY等の輸出拡大を図るほか、高付加価値商材である“近大マグロ”の幼魚の育成も開始しています。
④の“寿し常”は、1949年創業の老舗すしチェーンですが、新型肺炎禍で破産したため、2020年に当社が買収しています。同社は最盛期の2008年頃には37店舗程を運営し、年商72億円を叩き出していたものの、買収時の店舗網は26店にまで縮小しています。それでも当社は“とらふぐ亭”以外の養殖の出口が確保出来るため、六次産業化によりフルラインでの収益獲得が期待出来るようになり、6億円という純資産並みでの買収価格であったことから、大変有意義な買収となりました(※買収額につき破産管財人と係争中のため最大1億円程の補償可能性あり)。
財務状況については、高水準の助成金の受取もあり、自己資本比率は31.0%まで良化しており、安定的な水準を維持しています。配当予想は未定としていますが、営業黒字の確保が見込める段階で年数円程度への復配(巡行配当は年5円)も十分に見込まれます。
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