【2989】東海道リート投資法人(東証REIT) NT
現在値 116,700円/1株 P/E 18.0 P/NAV1.08 1月分配 7月分配 投資主優待なし
東海道エリアに投資する地方型REIT。スポンサーはヨシコンを中心とした地盤9社。
予想分配金は年2回の合計6,417円配のため、予想分配金利回りは約5.53%です。
業績を確認していきます。当投資法人は昨年6月のIPO銘柄となります。
■2022年01月期_第1期 営業収益 13.4億円、経常利益 4.3億円 DPU 2,446円
□2022年07月期_第2期 営業収益 11.2億円、経常利益 5.6億円 DPU 3,200円 ce
□2023年01月期_第3期 営業収益 11.2億円、経常利益 5.6億円 DPU 3,217円 ce
2022年1月期_第1期の営業収益はIPO時の公表予算比18百万円減となる13.4億円、経常利益が同53百万円増の4.3億円と上振れし、分配金についても同296円増となる2,446円となりました。トップラインこそ千種住宅・丸の内住宅の取得時稼働率が想定以下だったことから予算割れしたものの、融資関連費用・創立費・投資口交付費といったイニシャル費が想定以下(バッファ過多)だったため、営業外で実に▲87百万円も上振れして着地しました。
進行期である2022年7月期_第2期の予算については、営業収益が第2期比▲16.7%の11.2億円、経常利益は同+35.0%の5.6億円、分配金は同754円増の3,200円を予想しています。第1期末に取得した静岡マシンヤード底地(6億円/鑑定NOI6.0%)がフル寄与するものの、運用期間が(運用物件が殆ど無い期間を含め)304日間→181日間となるため減収となります。利益面については、固定資産税費用化開始により、コスト増となるものの、投資口交付費、創業費といったIPO特有の一時費用剥落により、営業外で埋め戻して増配を予想しています。
翌2023年1月期_第3期の予算についても開示しており、営業収益が第2期比変わらずの11.2億円、経常利益は同0.5%の5.6億円と横引きで予想しており、分配金は同17円増の3,200円を予定しています。2月25日TK出資のセントレア物流が通期稼働化するものの、出資額は1億円のため寄与度僅少となります。
当法人は昨年6月のIPOで約171億円(@100,000円)を調達し、「いなべ物流」「四日市ビル」「葵タワー(11.7%区分)」「千種住宅」「丸の内住宅(事前取得)」「草薙駅前住宅」「草薙住宅」「浜松底地」の8物件を計303億円(平均鑑定NOIは5.6%)で取得しました。中でも浜松プラザの底地は119億円で突出した規模であり、此方はかつてジョイント・リートが所有したあとスポンサーの破綻により、積水ハウスリートに移って、更に売却されたものを本法人が再度組み入れた格好となります。主要テナントはコストコとなっています。
中長期的な成長目標は早期に現在のAUM303億円を早期に500億円まで膨らませる計画となっています。スポンサーであるヨシコンで“名有り”となっている開発物件は多くなく、沼津と三島の間にある清水町(約5千坪)や、袋井(約26.5千坪)、沼津(約7.7千坪)、豊橋(約8.6千坪)が物流施設として組入れされる想定ですが、どれも開発前の状況となっています。現在の株価水準はIPO時を超えているほか、46.3%のLTVは当面の上限とする50%まで25.5億円分の取得余力を確保しているものの、IPO時の取得目線である償却後NOI4.9%を満たす物件を確保していけるかどうかが投資論点となりそうです。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。