箱根・仙石原にあるポーラ美術館に行ってきました。化粧品大手であるポーラ創業家の二代目である鈴木常司が、1950年代末から40数年をかけて収集したコレクションであり、印象派の収蔵数は日本最大級を誇ります。
運営は公益財団法人ポーラ美術振興財団であり、入館料・目録の販売・カフェ等の売上は5億円程度、運営経費は▲12億円程度とみられるため、他の多くの美術館同様に定常収支は大赤字です。然しながら同財団はポーラ・オルビスHDの筆頭株主(34.3%)であり、ポーラHDからの配当金収入が40億円程度(実績)あるため、他の美術館のように寄付に頼らずとも赤字をカバーすることが出来ています。
美術館のモックアップとオブジェです。館の設計・監理は日建設計、施工は竹中工務店であり館全体も周辺の自然と調和した意匠性の高いものとなっています。オブジェはイギリスの現代アーティストであるケリス・ウィン・エヴァンスの「照明用ガス・・・(眼科医の証人による)」であり、ネオン管を用いた作品は氏の代表的作品です。
展示室内写真もモノによっては撮影可でしたので、いくつか載せます。ゲアハルト・リヒターの「抽象絵画(649‐2)」です。何層にも重なる絵具のレイヤーで光が表現されており、昨年10月のサザビーズの現代美術・香港オークションで30億円でポーラ財団が落札したことでも話題となりました。アジアで競落された欧米作家作品としては史上最高額となります。
おなじみ印象派の巨匠、クロード・モネの睡蓮連作のひとつの「睡蓮」です。光をテーマとした今次開催のフォーカス作品でもあります。
中西夏之の「洗濯バサミは攪拌行動を主張する」です。洗濯バサミを多用しまくった、いかにもな現代アート作品ですが、平穏な日常に芸術を持ち込んで退屈な日常を攪拌する・・・といったコンセプトの作品のようです。
展示室外にはルノワールの「レース帽子の少女」をオブジェクト化した展示などもありました。
最後にポーラ・オルビスHD(4927)の直近の株価推移です。マスクによる化粧需要後退とMSCI除外により、右肩下がりの株価推移を強いられましたが、足許ではやっと底入れの気配があります。私は株主優待でもらえる当館の入館券が欲しくなってしまったので、@1,500円まわりで買い集めました(※入館券は原則400株以上の保有が必要です)
「モネからリヒター展」は、ポーラ美術館・開館20周年を迎える9月6日までの会期となっていますので、箱根にお越しの際は是非どうぞ。
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