【4351】山田債権回収管理総合事務所/業績復調気配も、利害関係者取引の多さが際立つ。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4351】山田債権回収管理総合事務所(東証STD)  NT

現在値 887円/100株  P/E 34.0   P/B 1.18 12月配当優待 6月優待


債権回収と派遣柱にグループで信託、コンサル、不動産、債権関連サービスを一括提供。
配当基準日は12月末の年5円配のため、配当利回りは約1.13%となります。

 

山田債権回収管理総合事務所は株主優待制度を導入しており、6月末・12月末現在の単元株主に1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.81%となります。

業績を確認していきます。

■2018年12月期 売上高 20.3億円、経常利益▲1.6億円 EPS▲40.3円

■2019年12月期 売上高 21.5億円、経常利益 3.3億円 EPS 135.2円 

■2020年12月期 売上高 20.9億円、経常利益▲1.7億円 EPS▲44.5円 

■2021年12月期 売上高 21.8億円、経常利益 0.9億円 EPS 33.9円 

■2022年12月期 売上高 27.0億円、経常利益 2.1億円 EPS 26.1円 ce

□2022年3月1Q 売上高  6.0億円、経常利益 0.9億円 EPS 22.7円(5/11)
□2022年6月2Q 売上高 13.1億円、経常利益 0.8億円 EPS 11.6円 ce

 

2021年12月期の売上高はYoY+4.4%の21.8億円、経常利益はYoY+2.7億円の0.9億円と黒字転換したものの、対予算では大幅未達となりました。サービサー事業は既存の購入済債権の回収が順調に進捗し大幅増となったほか、派遣事業も派遣先の業容が堅調に推移したことから増収増益となりました。他方、不動産事業については、底地の仕入れが不調だったことから大幅減となり、全社業績の足を引っ張りました。


進行期である2022年12月期の予算については、売上高がYoY+23.7%の27.0億円、経常利益はYoY+125.0%の2.1億円を見込んでいます。サービサー事業における期初時点の買取債権残高は、YoY+3.7億円増の41億円を抱えているほか、派遣事業も派遣先の司法書士事務所、土地家屋調査士事務所の業績の底堅い推移が見込まれます。他方、不動産事業については、新型肺炎禍で複雑な権利調整を要する底地の仕入れは依然難航するとみられるものの、反発を見込んでいます。尚、5月11日開示済の1Qは売上高YoY+27.8%、経常利益YoY+1.6億円と大増勢となっており、現状では順調な進捗と言えそうです。


当社は中期経営計画等は開示しておらず、ここ数年の売上高も20億円程度で横ばい、利益はひところは巡行ベースで経常利益5億円程あったものの、最近は均衡圏を挟んだ推移となっています。会社側では売上高営業利益率とROEの向上を重要指標としているものの、特段の数値目標を設けていません。

 

今後の成長戦略については、サービサー事業は地場の神奈川の金融機関との連携強化や、城南信用金庫との包括協定などにより再生案件獲得増を目指します。派遣事業については、山田グループ内の司法書士事務所、土地家屋調査士事務所にくわえ、相続関連ニーズが強まっているエスクロー信託なども着実に業績を伸ばしていることから、グループ案件の確保を優先します。ただ、派遣事業において顕著なように、山田グループ利害関係者との取引が余りに多い点が当社の特徴であり、唯一の上場企業である当社の業績を何処まで伸ばす意思があるのかは不透明と言えます。


財務面については、目下の自己資本比率は54.0%となっており、不動産事業以外は纏まった資金ニーズがないとみられることから、安定的な推移が見込まれます(注:FY2022/1Qでは大型物件を仕入済)。配当については、10年以上に渡って年10円配当を継続しており、特に株主還元を拡充する意思は無いものと捉えています。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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