1月20日に決算を発表したNetflixがその内容もさることながら、契約者数見通しが予想を大幅に下回って、株価が僅か1日で2割強下落しました。シンボル株であるNetflixの急ブレーキにより、ハイグロース株のセンチメントが冷え込み、NASDAQは金曜終値で節目の14,000を割り込んでしまいました。また、FRBの引き締めにより金利もジリジリあがっており、NYダウの方も調整色が濃くなっており、底が一段と見えにくくなってきました。
これを受けて今日の東京市場も軟調スタートが予想されます。今年は年明けからずっと軟調で、今週もそんな基調が続く見通しとなると、いよいよ底が見えない不安と付き合う心構えが必要なのかなと感じます。当方も投資を始めてはや20年が経ち、こういう『地獄の一丁目入口』のバス停前、みたいな不安心理が増幅しやすい局面には幾度となく遭遇しており、もちろん嫌ではあるものの、どこか懐かしいような不思議な気持ちを覚えています。
とはいえ、私とて未来が見える魔法の水晶玉を持っているわけではないので、これから上に行くのか、下に行くのかはわかりません。そのため、当面は「入金する」「出金する」「投資するセクターを変える」といった投資資金のアロケーションよりも、「趣味」「家族」「友達」「仕事」etc..といった投資以外のアロケーションを増やして、投資に充てるリソースを減らすのが一考かなと思います。
底が見えない相場と付き合っていく心理的負荷は小さくありません。趣味や蓄財・友人関係などもろもろ全て投資関係に依存しているような場合、趣味がつまらなくなったり、マイホーム購入を優先させた同世代よりうまく蓄財出来ていたはずなのに資産が逆転されたり、友達もどんどん投資をやめていったりと、泥沼相場では多くのものが一気に失われます。この10年の上げ相場で投資家としてのプライドを持たれた方などは、己のアイデンティティが崩れないように意識的に投資以外にアロケートしていった方が、精神衛生上よろしいのかなと思います。
心が折れた時点で、投資家としては終了してしまいます。溶かしまった資金もさることながら、投資に投じた多くの時間が無に帰して、二度と帰ってこないことを受け入れるのが特に難しいと感じます。お金は働いてまた稼ぐことも出来ますが、若くて元気な頃の時間は永久に帰ってきません。
これは自身の経験に基づく体験談でもあるのですが、かつて投資に全振りしていた私は、リーマンショックで退場寸前まで追い込まれ、アイデンティティが崩壊し、投資のみならず私生活まで全て自暴自棄になりました。会社も辞めました。私に残ったものと言えば、当時交際させていただいていた彼女くらいでしたが、崩れゆく私の自信の拠り所は彼女だけでしたので、それはそれはありがたかったことを今でも覚えています。
そして弊ブログの読者の皆様にはそういう惨めな思いはして欲しくないので、ぜひ私の失敗経験を“反面教師”にして、今のうちに気持ちの分散を進めておいていただければ、望外の喜びであります。
*参考記事① 2020-03-14
これからも優待株と生きていく(投資戦略アウトルック/2020.3.14)。
*参考記事② 2018-12-15
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。