【3085】アークランドサービスHD/買収攻勢でかつ丼一本足打法からの脱却が進む。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3085】アークランドサービスHD(東証1部)  OP

現在値 2,286円/100株  P/E 19.1  P/B 3.07 12月無配優待 6月優待

かつ丼のかつやを直営、FCで展開。からあげ業態を育成中。親会社はアークランドサカモト。
配当基準日は6月末・12月末の年2回・合計30円配のため、配当利回り1.31%となります。

アークランドサービスHDは株主優待として6月末・12月末の単元株主に対し、1,100円分のお食事券を年2回進呈しているため、配当優待利回りは約2.27%となります。

業績は下記の通りです。

■2017年12月期 売上高 265億円、営業利益 37.6億円 EPS 73.0円

■2018年12月期 売上高 306億円、営業利益 41.1億円 EPS 79.1円

■2019年12月期 売上高 333億円、営業利益 44.8億円 EPS 80.0円   

■2020年12月期 売上高 386億円、営業利益 45.3億円 EPS 74.3円

■2021年12月期 売上高 440億円、営業利益 47.5億円 EPS 119.3円 ce修正
□2021年6月2Q 売上高 211億円、営業利益 22.8億円 EPS 78.9円

□2021年9月3Q 売上高 323億円、営業利益 35.8億円 EPS 115.0円(10/29)

2021年6月中間期の売上高は前年同期比26.8%増の211億円、営業利益は同14.8%増の22.8億円となり、2桁の増収増益ではあるものの、概ね期初予算線での進捗となりました。主力のかつやについては、テイクアウトの取り込みが順調に進み、既存店売上高(SSS)は103%と堅調に推移したほか、同様にからやまSSSも105%と高水準となりました。他方、マンゴツリーやダンシングクラブといった都心型飲食店が大苦戦となったほか、Campや岡むら屋といったファスト型業態についても駅前立地店割合の多さに泣かされる形となり、かつやの好調とは対照的な結果となりました。


2021年12月期の通期見通しについては、売上高が13.9%増の440億円、営業利益は4.6%増の47.5億円と期初予想を据え置く一方で、経常利益予想については1Q・2Qで相次いで増額しており、助成金収入が膨らんで同27.4%増の62億円まで膨らむ見通しです。10月迄のかつやSSSは、10ヶ月累計で102.2%と前年ハードルの低い上期より数字が落ちているものの、実態としては堅調と考えられます。通期の出店計画については、出店95・退店20の期末総店舗771店を見込んでおり、国内外でかつや・からやまを中心に出店します。なお、10月27日に開示済みの3Qによれば、売上高・利益ともに高進捗率が確認され、対見通しで過達確実の情勢です。

 

当社は中期的な経営計画を公表していないものの、直近5年程は売上高・営業利益ともに年率13%程度の2桁成長を継続しています。また、新型肺炎禍ではかつ丼がテイクアウトに親和性の高いことから、元来のかつや一本足打法が奏功し、店内飲食依存型の同業他社を尻目に極めて堅調な業績を叩き出してきました。他方、そのかつやも既に国内店舗数は400店を超えてきていることから、海外出店に軸足を移すとともに、“2枚看板”とすべく唐揚げ業態のからやま・縁の出店を進めています。

 

また昨年は相次いでMAを繰り出しており、スーパーや飲食店向けにとんかつやメンチカツの製造・販売を行っているコスミックダイニング・清和ヤマキフード(年商38億円・営業益2億円)に9億円を投じたほか、マンゴツリーやダンシングクラブを運営するミールワークス(年商53億円・営業益1億円)を14億円で持分の70%を取得し、連結化しています。足許ではこうした形でインオーガニックに業容の拡大を進めているほか、本体事業としても豚汁業態のごちとんや東京とろろそば、東京たらこスパゲッティといったこれまでとは毛色の違う“非揚げ物”業態の開発を進めています。

 

他方、財務面については借金26億円に対して現金159億円を保有しており、自己資本比率も72.0%と外食企業としては異例のチタン級の好財務を誇っています。前述のとおり新型肺炎禍でもテイクアウト比率が高くそこまで影響を受けたわけではないものの、時短による店内営業時間短縮による補助金を目いっぱい受け取る格好で、営業外収入が増え、手元キャッシュは更に膨らんでいます。かような背景もあり、今期は既に期中増配を公表しており、社長交代記念配当の3円を含め6円の増配となる年30円配当を予想しています。

 

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