【2931】ユーグレナ/アドバンテッジらと共同で、コカ・コーラBJからキューサイを買収。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2931】ユーグレナ(東証一部) OP

現在値 879円/100株  P/E --.- P/B 4.03  12月配当(無配)  6月株主優待

微細藻ミドリムシを活用した食品、化粧品販売。バイオジェット燃料に意欲。

 

配当基準日は12月末ですが、無配予想となっています。

ユーグレナは株主優待制度を導入しており、6月末の単元株主に対して、自社製品のカタログ割引優待を実施しています。

業績を確認していきます。決算期を12月末に変更しています。

■2018年9月期 売上高 151億円、営業利益▲13.7億円 EPS▲14.7円 

■2019年9月期 売上高 139億円、営業利益▲74.6億円 EPS▲107.3円 

■2020年9月期 売上高 133億円、営業利益▲14.5億円 EPS▲16.0円 

■2021年12月期 売上高 330億円、営業利益 (未定)億円 EPS (未定)円 15m変則

□2021年6月2Q 売上高 77.3億円、営業利益▲5.0億円 EPS▲2.1円

□2021年9月3Q 売上高 121億円、営業利益▲8.4億円 EPS▲3.0円

2021年9月期_第3四半期の売上高は前年同期比27.0%増の121億円、営業利益は赤字縮小の▲8.4億円(1.5億円の損益改善)となりました。直販売上高は、定期購入顧客がQonQで25千人増の320千人と急ピッチで拡大したことにより、前年の1.5倍に躍進しましたが、これは傘下のMEJ社が新製品である「C COFFEE」を投入したほか、買収したスキンケア・化粧品LUGUNA社が3Qから連結となり、顧客数を押し上げたことが要因です。同様に流通売上高についても、主力の「からだにユーグレナ」のほか、「C COFFEE」が好調に推移しました。他方、利益については依然として3ヵ月で12億円程の高水準の広告費を投じているため、赤字が継続しています。


なお15ヶ月変則決算となる2021年12月期通期の予算については、この3Q時点で増額しており、売上高が前期比2.5倍の330億円(従予:220億円)、参考値である調整後EBITDAは1.5億円(従予:▲2.0億円)に修正しています。ヘルスケア事業の足許の好調な売上状況を反映して増額するほか、決算期変更にともなう5Q(10‐12月)期間の分の業績の単純な上乗せ、及び期中買収したキューサイの連結化などの複数の要素により、従来予想から大きく数字が変化します。営業利益予想は非開示となっているものの、更に広告費を積み増した上でEBITDA見通しを良化させているので、概ね順調に推移しているものとみられます。

 

当社は現在進行中の中計は無いものの、従前中計では終わった2020年9月期に売上高300億円を目指していた経緯があり、未達に終わっているものの、足許の状況では1年遅れながらこの水準に到達しています。これはヘルスケア事業において、そもそもユーグレナという商品名がミドリムシと想起されづらく、機能性の認知や知名度が低かったほか、顧客層やチャネルの偏りにより十分な広告効果が挙げられなかったことが原因ですが、それでも相次ぐ買収策によりトップラインを大きく引き上げることに成功しています。

 

2019年には若者向けのダイエットコーヒー「C COFFEE」を展開するMEJ(当時の年商7億円)を株式交換により子会社化したほか、2021年1月にはスキンケア品「あきゅらいず」を展開するLUGUNA(年商18億円)を、11月には高品質有機肥料を展開する大協肥糧(年商14億円)も相次いで株式交換で子会社化しています。そしてこれら3件のMAはそこまで大型ではありませんが、5月にはアドバンテッジパートナーズや東京センチュリーとともにコカ・コーラBJから総額230億円強で株式を取得していた青汁大手のキューサイ(年商250億円)の持分を追加取得することにより、連結子会社化しています。

 

そして“小が大を飲む”形となる社運を賭けた大型買収の資金手当てのため、本年4月に海外オファリングを実施しており、129億円(@951円)を調達しています。本件増資により2割強もの大幅な希薄化が発生したものの、実績ベースで40億円弱のEBITDAを叩き出すキューサイのPL寄与は大変大きく、のれんの額および償却期間未定ながら営業利益ベースでも翌2022年12月期の黒字化が視野に入る状況と思われます。なお、本件増資と買収にともなう借入等を反映した足許の自己資本比率は40.6%となっており、2023年を目途としたキューサイの全株取得による完全子会社化も追加借入等で賄える水準にあるものと考えています。

 

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