当面、とは概ね年内くらいをイメージしています。金曜日の菅総理の総裁選出馬見送り発表を株式市場は好感し、後場から爆上げとなりました。更には週末のNY市場がマイナスで帰ってきているにも拘わらず、日経先物は29,580円と更に一段騰げてきているような状況です。さながら第2次安倍政権誕生時に8,000円台から一瞬で14,000円台まで駆け上がった頃を彷彿とさせるような初動の動きとなっています。
総裁選については、現時点での本命は河野氏、対抗は高市氏、単穴は岸田氏と・・・いったところかと思いますが、まだまだ流動的な情勢です。そのため各候補とも派閥間のネマワシはさておき、突っ込んだ経済政策を掲げるしかないものと考えており、後ろ倒しになった衆議院選挙では“撒き餌”が期待出来るものと考えています。また、総裁が誰になろうが、選挙を新しい顔で戦える効果は大きく、横浜市長選の結果で懸念された自過半数喪失といったリスクもかなり後退しました。たとえば、人気の高い河野氏が首相、小泉氏が官房長官となった場合、少なくとも選挙においては自民党が最強化する可能性があります。
また、個人的には火中の栗を拾いにいった菅首相は大功労者だとは思うものの、少なくとも海外への見えずらはそうでは無かったので(BBCやCNNの報道仕草からもそれは明らか)、首相が変わることによる海外勢の本格的な買い参戦が予想されます。特に日本株は毎日が高値更新状態の米国に比べて出遅れていたので、ショートカバーや新規ポジション作りの買いが増えるとみられます。
結論としては、当面は指数優位の相場になると考えており、基本は大型株中心のポートフォリオ構築が望ましいと考えており、大型株については多少騰がったくらいで安易に利確しない方がいいかもしれません。また、中小型株についてはかなり調整してきたこともあり、自律反発局面にあるものの、指数劣後し続ける可能性を念頭に入れておいた方がよさそうです。
他方、そんな中小型株であってもSaaS銘柄等については海外投資家も普通にバンバン買ってくれたりするので、こうした買い手がきちんと居る時価総額上位銘柄、ないし、ちゃんと海外IRを実施して実際に買わせることに成功している銘柄を選んでいくことが肝要かと思います。銘柄間の選別については一段と進むものと考えており、どんなに見た目が割安でも未来永劫全く買われない“忘れられた株”の割合が増えるものと考えています。
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