格好よく例えるなら、ゴルフにおいて80台のスコアで回れるようになったのに、その出来上がったフォームを崩して再構築し、改めて80切りを目指すとか、大学受験において現役で最難関私立大学に合格したのに、あえて浪人して受験科科目数も問われる内容も違う東大を目指す・・・といったノリに近いでしょうか。
出来上がったフォームを崩しにいく以上、肉体改造みたいなことを行うわけでして、当然ながら成功する保証はありません。前述のゴルフで例えるなら、スランプが続くような状態で90台に後退してなかなか戻れなくなったり、大学受験なら浪人期間の1年で逆に学力が低下してしまい、現役時代に受かった大学のレベルに届かなかったりするようなリスクが想定されます。
閑話休題。長らくの間、当方の投資フォームは、高配当株やREIT・優待株でしっかりとしたインカムゲインの「コア」を築きつつも、「サテライト」部分でグロース株や直近IPOのセカンダリーなど、オポチュニスティクな投資を実行し、+αの獲得を狙うといった「コア・サテライト戦略」を採ることで、ある程度は安定的なリターンの獲得が出来るようになっていました。要は過去の経験蓄積があまりに大きいので、勉強もせずに適当に鼻ほじってノリで運用しても、そこそこ儲かるといったフェーズです。
然しながら色々思うところがあり、最近ではグロース株を「コア運用」の一角として位置づけ、安定的なリターンが獲得できるインカム銘柄を一部崩して、グロース株のウエイトを増やしています。これにより、せっかく何年もかけて積み上げていった年間の受取配当金総額は逆に減少に転じ、ポートフォリオ全体のリスクも増えましたが、この投資方針の一部変更により、グロース株に要求される高いリターンの獲得もさることながら、事業領域である先進領域の知見獲得を目指すつもりです。投資黎明期の若い頃のようにまた“高い授業料”を払って、更なる高みを目指す・・・といった感じでしょうか。
当方は幸いにも投資を始めた時期が早く、未だ30代です。50代とか60代といった“逃げ切り世代”ならともかく、今後も何十年も投資を続けることを考えれば、日々激変するビジネスのルールの変化を察知するアンテナを磨き続けておく必要があると思っています。そしてそれは吸収力が最も高いこの瞬間から意識して実行されるべきと考えていて、(心の奥底では全部高配当株に寄せて昼寝でもしていたいという怠惰な気持ちがありつつも、)否応なしに分析に手間暇のかかるようなグロース銘柄を組み込んで、詰め込み方式で無理やり勉強させていくよりほかないのかな、と考えています。