GWはヒマなので、実にいまさらながらグロース株・バリュー株問題について私見を述べたいと思います。投資界隈における典型論点のこれは、不動産業界でいうところの賃貸派・購入派みたいな永遠の宗教論争みたいなものですが、これもどちらも良し悪しがあり、好みの問題も大きいのですが、年代によって変えるというのも一法かと思います。
例えば20~30代であるなら、若者らしくハイリスクなグロース株のような銘柄で攻めてもいいように思います。これは種銭が少ないのである程度狙いに行かないと増えないという点もありますが、もし外れて一文無しになっても、その失敗経験から得ることも大きいというのが理由です。今後の長い投資生活を考えれば、その失敗を活かせる期間もまた長くなるからです。大失敗が許されるのは若いうちだけの特権で、年金投資で大失敗みたいな悲劇も確実に回避できるようになります。
逆に40代を過ぎてからは、バリュー株(含・高配当株)を増やすのがいいと思います。自分の家族が居ればライフイベントに応じて資金需要が発生しますので、株価が安定的な方が換金売りしやすいですし、高配当株で旅行費用や入院費用といった一過性支出をケアできれば、ポートフォリオを崩さなくて済みます。またそれ以上に、仕事や子育て、親の介護などに時間リソースを使うことが増えるので、あまり値動きの激しい株を持つのは馴染まない、という点も挙げられます。
またこれらとは別ルートとして、若くからインデックス投資に全振りしてしまうというのも当然アリです。効率的市場仮説によりそこいらの投資家を上回るパフォーマンスを上げることが可能な一方、浮いた膨大な時間を仕事なり資格の勉強なり、他の趣味なりに振り向けることが出来ます。ただ、「バリュー株→グロース株」に転じることが難しいように、「インデックス投資→バリュー株/グロース株」に転じることはもっと難しい印象であり、投資経験年数のわりに投資に関する知識は乏しくなるというデメリットがあります。
そんなわけで、グロース株、バリュー株、或いはインデックス投資のどれが正解という話でもないので、少しずつ変えていくのがいいのかなと思います。ただ若いうちからバリュー株を掘り出すと、後からグロース株に戻るのはテクノロジーの進歩により相当な労力を必要とする(グロース株は世界的に日進月歩の世界なので知識的に全く追いつけなくなる)ので、個人的にはおすすめしずらいです。やはり若いうちはヤバそうなグロース株でも何でもかんでも手を出して、できるだけ自分の投資のユニバースを広げておき、後から自分の理解が追いつく範囲の投資分野に絞っていった方が何かと楽なように思います。
ちなみに私も50歳を過ぎる頃になったら、含み資産顕在化狙い投資とかTOB狙い投資といった「バリュー株お祈り投資法」に切り替えていきたいと思っています。不動産が好きなので、本来的にはそういう投資の方が好きだったりするのです。
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