通信価格破壊でヒット&アウェイ、を改めて意識したい/投資戦略アウトルック(2021.01.17) | なちゅの市川綜合研究所

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最近思うところとして、かつてより“ヒット&アウェイ”という考え方が重要になってきたのかな思います。つまり、投資した銘柄が運良く買い値の数倍になったら、いったん全部売るか、ポジションをある程度落として逃げてしまった方がいいのかなということです。

 

教科書的にも、バフェット翁的にも「良い会社は永遠に持ち続けましょう」というのがあるべき姿であり、かくいう当方も基本的には一度買ったらあまり売らないのでそういう考えに近いのですが、世の中的にそうでは無くなってきたのかなということです。特定の少数会社に集中投資してサクセスすれば何だかポリシーがある投資家みたいで見え面はいいのですが、世界的にありとあらゆる業際の垣根が日々ぶっ壊されている中で、実態としてはギャンブルに近くなっているようにも見えます。

 

例えば、新型肺炎禍の勝ち組業種とされた通信インフラ系業種なども、楽天のような圧倒的に力のある巨大ベンチャーが膨大な広告費と設備投資をかけて、かつ、政府サイドの大いなる後押しを受けて格安スマホを本格展開しようとした矢先、NTTやKDDIのような巨人のパワープレイに飲み込まれようとしています。こうなると誰も何も得しない消耗戦に突入するわけですが、スマホ通信料が月2,000円台とかになってくると究極的には高速通信が無料かそれに近い金額でも良くなってくるわけで、これでNTTが更に通信料を下げて、今回提携したMUBKとの金融分野とか別のソフトコンテンツで稼ぐからいいや・・・となれば、通信インフラ系業種は水道代みたいな無料に近い存在となり、もはや一義的にカネが取れるようなビジネスではなくなります。

 

ちなみに現在進行形となっている通信価格破壊のようなことは、証券業界ではとっくに起きていて、SBI証券などは売買手数料の完全無料化を志向しているほか、米国では主要オンライン証券が既に無料化されたりしているので、今後はそれと似たような感じになるかもしれません。またこれら通信業界や証券業界以外にも、Googleが気分でちょっと検索ルールを変えただけで、とたんに存在意義がガタついてしまう一部ジャンルのネット広告の類みたいに、昨日まで有効に機能していたものが一夜でそうで無くなったりするもっと過激なゲームチェンジが実際にどんどん起きています。

 

これらはあくまでほんの一例ですが、今はとにかくビジネスモデルの陳腐化が本当に早いです。自称ストック型ビジネスモデルでも、売上は簡単に消えます(笑)。そのため、既投資先の今後の想定シナリオに相応のストレスをかけてモニタリングの上で保有を継続するか、あるいはある程度儲かったらいっそのこと一旦逃げてしまう、のも有効な戦略なのかなと思う今日この頃です。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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