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取り合いというと、奪い合いのような意味で若干ネガティブな響きがするかもしれませんが、建築・不動産業界においては競合する部材等の収まりよくするということで、バランスを取るという中立的な意味であり、本エントリでも後者の意味で取り合いという言葉を用いています。
閑話休題。過日も「go toトラベル」観点で時間対効果の話をしたばかりですし、弊ブログ読者様であればタイトルを一瞥すれば何を言わんとするエントリなのか大体わかると思いますが(笑)、それでも常日頃からよく考えてしまうくらい節約と時間の取り合いについては当方にとっても実に悩ましいテーマとなっています。
「go toなんとか」、「優待クロス取引」、「ローソンの引換券祭り合戦」、「各種ECの買い回りセール」、「RIZAPグループ優待申込合戦(これはちょっと違う)」・・・その他コジ活等の取組(以下はこれらを総称して“節約等行為”と呼びます)でもなんでもそうですが、どれも大なり小なり時間がかかります。そして当方の観測範囲においても、こうした節約等行為が好きな個人投資家さんは多く、かくいう当方も優待クロス取引を除いて色々と手を出してしまっていて、収拾の付かない状況になっています。
私が想像するに節約マインドを持っている個人投資家さんの場合、おそらく以下にのような思考の土台があって、その後の行きつく果てとしては以下のような展開が想定されます。時期別に5段階(Ⅰ~Ⅴ)に分解して整理してみます。
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【Ⅰ:有史以前、20代後半~30代前半頃】
「これからは個人投資家として運用額を少しでも早く積み上げ、早期退職するか、そうでなくとも週休4日とかで悠々自適に過ごしたい!高配当株をいっぱい買って、あとは寝て過ごしたい!」などと頑張る決意を固める。
【Ⅱ:揺籃期、30代半ば頃】
「立派な投資家になるには何はなくとも種銭の確保!節約等行為を頑張って生活コストも下げよう!」という意気込みで、節約等行為に多くの時間を費やすようになる。投資の勉強にはさほど時間を割かない。「今の自分は種銭を稼ぐフェーズなので、勉強の効果が薄いし、お目当ての株を見つけても買う金もないから後まわし(っていうか、そもそも仕事忙しくて勉強とかめんどくさいし・・・。)」
【Ⅲ:黎明期、40代半ば頃】
そんなことを5年も10年続けて、ある程度は種銭が膨らんできたものの、他の投資家と比べると資産の増え方がどうも鈍いことに気付く。「やっぱり投資の勉強も頑張らないとダメか・・・」と、やっと四季報をパラパラ読み始めるなどして勉強し始める。
【Ⅳ:飛躍期、50代半ば頃】
かなり遅れを取ってしまったものの、投資の勉強を本格的に始めて10年後、他人様より少し早めにリタイア出来そうな見通しとなった。「遅咲きながら個人投資家としてまずまず成功出来た。やっと時間をとれるようになったので、これからは悠々自適に暮らそう」。
【Ⅴ:終焉期、60代~】
よくよく考えてみると、若くて元気な時間を節約等行為に投じた代わりに、シニア手前で人より多めの時間を確保したということに気付く。果たしてそれはそもそも時間の交換として等価なのか・・・。60代になった今なら、たとえ大金を払ってでも「30代の頃の1日を取り返したい(カイジの世界なら超高額な1日外出券でも買いたい)」といった感情が芽生え、向き合うこととなる。
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上記のこのⅠ~Ⅴは途中で“気付き”を得て、少々遅咲きでも投資で成功した場合のイメージです。気付くのが遅ければ、若かりし頃の自分が投じた元気な時間の代わりの時間の受取時期は、より老人側の時期へとシフトしていきます。
誤解のないように言いますと、節約等行為を否定する気はありません。むしろ当方も投資で大穴を開けて種銭がほぼ無くなってしまった貧乏な時期は3食カップ麺やスーパーの4割引の冷凍食品、閉店間際の割引シール弁当でしのいでいたので、気持ちはよくわかりますし、投資家として成功したいという意気込みがあるのであれば、その位の節約等行為はむしろ徹底して全部やるべきと思っている方です。
ただ、大人としての分別が備わり、気力・体力もある30代や40代の時間はかけがえのない大変貴重な時間であることもまた事実です。いまこの瞬間から本気で投資の勉強をすれば、50代かそれよりもっと早く成功出来る可能性もあります。節約等は成果発生のタイミングが早いので頑張り甲斐・・・というかある種の中毒性があり、かたや投資は頑張ったからといって勉強を必ず報われるものではありませんが、それは高校生の頃に目先のバイトとお勉強のどっちを頑張ると将来リターンが高いのかという話と同種の議論です。
種銭のための目先の小銭も、将来の大金も両方大事というのなら、それ以外の無駄な時間をそぎ落として、気合いで両方取り組めばいいのかなと思います。まぁ言うのは簡単なのですが、当方においてもこの辺についてはマインドや時間配分を整理していく必要があると感じている今日この頃です(最近はおトクなキャンペーンが多過ぎるのが問題なんだよなぁ・・・)。
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