【3969】エイトレッド(東証一部) OP
現在値 2,026円/100株 PER34.7 PBR5.59 3月配当 9月株主優待
ワークフローソフト専業。「X-point」「AgileWorks」主力にクラウドも提供。
配当は年2回・合計20円配当のため、配当利回りは約0.99%となります。
エイトレッドは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末の単元株主に対して、1,000円分のクオカードを年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.98%となります。
業績を確認していきます。
■2017年3月期 売上高 9.6億円、経常利益 2.7億円、EPS 30.9円
■2018年3月期 売上高 11.0億円、経常利益 3.2億円、EPS 33.4円
■2019年3月期 売上高 14.4億円、経常利益 4.8億円、EPS 45.5円
■2020年3月期 売上高 16.2億円、経常利益 5.8億円、EPS 55.2円
■2021年3月期 売上高 17.9億円、経常利益 6.5億円、EPS 58.3円 ce
□2020年6月1Q 売上高 3.9億円、経常利益 1.3億円、EPS 12.2円(7/22)
□2020年9月2Q 売上高 8.4億円、経常利益 2.9億円、EPS 26.7円 ce
2020年3月期の売上高は前期比12.1%増の16.2億円、経常利益は同20.2%増の5.8億円となり、期初予算を上回るとともに2桁幅の増収増益を確保しました。主力のパッケージ品は、全国主要都市でのセミナーやwebセミナーの実施により大手企業向けの「AgileWorks」の導入企業数が引き続き好伸しました。従来型「AgileWorks」はクラウド品への切替もみられたものの、前期にPPIH(ドン・キホーテ/ユニー)に採用されたことを皮切りに、伊藤忠本体へも導入を果たしたほか、セブン&アイや、YKKといった大企業も新規導入となりました。また、中堅企業向けの「X-point」も続伸となったほか、小規模企業向けクラウド品の「X-point cloud」については無料トライアルやハンズオン研修で導入が進み、同商品は実に3割強の増収基調が継続しました。
2021年3月期の通期予算については、期初段階から予算を開示しており、売上高が前期比10.3%増の17.9億円、経常利益は同10.5%増の6.5億円を予想しています。かねてからの「働き方改革」風潮にくわえ、足許の新型肺炎の影響によりテレワークや在宅勤務への移行が進んでおり、ワークフロー事業の趨勢増が期待されるような状況となっています。中堅企業向けの「X-point」はクラウド移行のため減少を見込んでいるものの、主力品の「AgileWorks」は大企業にくわえて大学向け等に深耕を図る方針です。なお、7月22日に開示済の1Qによれば、売上高は前年同期比12.2%増の3.9億円、経常利益は同34.1%増の1.3億円の高進捗をマークしています。
当社は2016年12月にマザーズ市場に上場し、中長期経営計画を開示していないものの、本邦のワークフロー市場自体が年率10%超伸長しているため、業界首位級(総合2位、クラウド型1位)である当社も当面の間は年率2桁成長をすることが可能と解されます。当社製品は中小企業から大企業までカバーしていることにくわえ、親会社であるソフトクリエイトHD(3371)の創業一族である林宗治氏が当社会長に就いているほか、2位株主として10年前からSCSK(9719)も資本参加しているため、相応の手厚い販路が確保された状態となっており、販売パートナーとしての実際の主要取引先もダイワボウ情報、リコー、日立システムズといった大手SIerのネームが並んでいます。
従来品の「AgileWorks」については、昨今の新型肺炎によるテレワークや在宅勤務、ペーパレスの流れから大企業での導入ニーズが改めて高くなってきており、RPAと絡めた拡張の利用ニーズも高くなっています。先行してクラウド化を進める「X-pointクラウド」も中堅企業向け商品であることからもわかるように、当社は本来的には小規模企業向けの方が強く、従業員100名以下の企業は大企業よりもワークフロー未導入が非常に多い(推計17.6万社)ことから、これら小規模企業に圧倒的なシェアを握る当社は新型肺炎禍で絶好の業容拡大チャンスを迎えています。
当社は親会社のソフトクリエイトがかつてそうであったように、株式分割や優待拡充策などを繰り出して指定替えの形式要件をクリアし、2018年に東証1部市場に鞍替えを済ませているため、中長期的な受注活動の大きな追い風となるものと考えています。株主還元については、配当性向30%を基準に今期は4円増配となる20円を見込んでいますが、当社は無借金であり現金を約25億円積み上げている好財務企業であるため、今後は配当性向の引き上げなどより踏み込んだ株主還元がなされていくものと考えています。
*参考記事① 2020-03-05 1,278円 NT
【3969】エイトレッド/足許やや減速だが、大企業向け従来品の再加速に期待。
*参考記事② 2018-08-23 1,369円 NT
親会社や提携先のネーム強力で、盤石の年率2桁成長続く・エイトレッド(3969)。
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