【4248】竹本容器(東証1部) NT
現在値 774円/100株 PER8.82 PBR1.06 12月配当株主優待 6月配当
化粧品・食品向け主力のプラスチック製包装容器専業。自社製品の金型多数保有し短納期。
配当は6月末・12月末の年2回合計19円配当のため、配当利回りは約2.45%となります。
竹本容器は株主優待制度を実施しており、12月末現在の単元保有株主に対して、自社オリジナル容器を使用した特選品を進呈しており、過去実績からおおよそ2,000円相当と仮定した場合の配当優待利回りは約5.03%となります。
業績を確認していきます。
■2016年12月期 売上高 127億円、営業利益 12.5億円 EPS 73.7円
■2017年12月期 売上高 142億円、営業利益 14.1億円 EPS 82.3円
■2018年12月期 売上高 160億円、営業利益 16.3億円 EPS 96.7円
■2019年12月期 売上高 151億円、営業利益 15.3億円 EPS 83.3円
■2020年12月期 売上高 155億円、営業利益 16.0億円 EPS 87.8円 ce
□2020年6月中間 売上高 74.5億円、営業利益 7.0億円 EPS 38.3円 ce
2019年12月期の売上高は前期比5.2%減の151億円、営業利益は同5.7%減の15.3億円となり、増収増益を予想していた期初予想を下回って着地しました。国内向けについては、営業開拓により新規案件の売上が増加したものの、前期の化粧品容器品不足による先食い反動や、インバウンド減少により反落となりました。また、中国向けについても米中貿易摩擦やEC法改正の影響を受け見込みを下回りました。なお、商品別については上述の理由で主力の化粧品分野が大きく低迷したものの、その他の日用・雑貨、食品・健康食品などについては、概ね前年並みの水準に踏みとどまりました。
進行期である2020年12月期の予算については、売上高が2.0%増の155億円、営業利益は4.0%増と微増を見込んでいます。国内向けについては、依然として2018年のインバウンド等を原因とした化粧品容器の先食い需要の反動が残るものの、汎用金型商品である“スタンダードボトル”については、消費者ニーズ多様化・商品サイクルの高速化などによる短納期要望が増加基調にあることから、需要はある程度底堅く推移することが見込まれます。また中国については、米中貿易摩擦の鎮静化により横ばいを見込んでいるものの、インドについては工場の稼働強化による増産を予定しています。
今期は当初2021年12月期を最終年度とする3年中計の2年度目としての位置付けであり、業績目標値として売上高160億円→191億円(CAGR6%)、営業利益16.3億円→18.0億円(CAGR3.5%)を見込んでいましたが、本年1月に下方ローリングをかけています。これは国内化粧品容器需要の一巡により需要が鈍化傾向にあることと、及び新規事業立ち上げ見送りによりその増分を剥落させたことが主な理由であり、向こう3年の新しい業績目標値として2022年12月期に売上高151億円→174億円(CAGR5%)、営業利益15.3億円→18.5億円(CAGR7%)を見込んでいます。
中国のEC法改正にくわえ、世界的なESG潮流としてEUをはじめとする諸外国でプラスチック利用についての規制が強化(ex.プラストロー等のワンウェイ品の規制)されているため、外部与件が構造的に厳しさを増しているものの、当社としては原材料にガラス・金属・紙や植物性素材を利用したり、リサイクル可能品を強化することで対応していく模様です。これ以外の対応としては、合羽橋の本社屋に近い東上野に顧客共創型ショウルームである「TOGETHER LAB」を本年4月に新設し、早期開発の推進と高付加価値化を図るとともに、上述したようなプラ廃止・削減等のESG意識が相対的に薄い(とみられる)インド等の工場で増産を図って凌いでいく方針です。足許での新型肺炎の影響を受けるとみられるものの、主戦場の中国は最悪期を脱した可能性があるので、一旦は会社側計画を支持し、様子をみたいと思います。
株主還元については配当性向20%以上を目安としており、今期は19円配当(配当性向21.6%)を据え置く予定となっています。当社は2014年のIPO時に約5億円(@450円)、2017年の東証一部指定変更時にもPOを実施して約10億円(@853円)の追加調達をしているものの、足許の株価は直近PO時の株価を下回る水準で推移していることから、財務状況には比較的余裕があるものの、踏み込んだ株主還元がしずらいものと推察されます。
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