外食株の値動きにみる“株は需給がすべて”(投資戦略アウトルック/2020.3.22)。 | なちゅの市川綜合研究所

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先週から外食株全般が戻っているように感じています。私はノンホルで恩恵に預かれないので正直どうでもいいのですが(笑)、コロワイドの優待一時拡充(3月末確定のうち6月進呈分のみ2万ポイントに倍増)を契機に、他社でも手持ち優待券の期限延長などの措置が取られて株価が急速に出直ってきた印象です。また見逃せない点としては、その裏で梅の花は優待ほぼ廃止したりしており、業界的に嫌な流れが加速してきそうなところで、大手のコロワイドが早々に有効打を打って奏功したので、そこは素直に評価したいと思います。

 

本来的に外食セクターは営業的な観点において、新型肺炎の影響をモロに受けるセクターと言えますが、現値付近が本当の底かどうかはわからないものの、比較的早く株価が反転に転じた背景として、冒頭に記した優待の一時拡充や期限延長などの措置も多少影響しているかと思いますが、単にもう売る人が居なくなったからだと考えています。

 

ご承知のとおり、「(外食)優待株は暴落に強い」といった金言とは裏腹に、今次ショックでは早々に売り込まれていたため、値持ちの良さを微塵も感じさせない弱さがありました。これは想像するに外食株は個人投資家の構成比が多いため、信用担保になっているケースが多く、今回の様な短期的な相場の急落に個人が耐えられず、強制的に売らされた玉が多かったものと考えられます。また、個人投資家が好むとされる(他セクターの)中小型株の方が大型株よりも先んじて売り込まれていたため、その辺も換金売りに拍車をかけていたものと思われます。

 

ただ中小型株については、大型株よりも早く調整が済んでおり、信用追証による強制処分売りなどが足許で一巡しつつあるので、売る人が居なくなってきていることもまた事実です。そのため、翻って外食株のうち信用担保になっている「売らざるを得ない玉」も殆ど枯れてきているものと考えられ、あとは優待目当てで株価など気にしないで現物保有している向きが大勢となれば、株価は下がらなくなります。

 

実に当たり前の話ですが、株価は需給がすべてです。今次ショックのようなことがおきると、グロースかどうとか、バリューがどうとか、予想配当利回りがどうとかいった物差しはバリュエーション自体がぶっ壊れるため機能しずらくなります。その点、本来的には業績がヤバくなるはずの外食株が、売りニーズ枯渇で、あとはもう買う人しかいなくなって上がったというそんな結果だったのかと思います。

 

 

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