これからも優待株と生きていく(投資戦略アウトルック/2020.3.14)。 | なちゅの市川綜合研究所

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普通の感覚をお持ちの投資家さんなら、そろそろ精神的にしんどくなってきた頃でしょうか。アベノミクス相場でいくらか増えたのかもしれませんが、そんなものはとうに全部吐き出して、額に汗して働いたお金が瞬く間に消えていく元本毀損フェーズに入っているのだとすれば、その空虚なお気持ちは経験をもつ者としてよく理解出来るところであります。

 

さて標題の件です。よく私は「なんでそこまで細かな分析が出来るのに、成長株中心ではなく優待株ばかり手掛けるんですか?(優待株とか分析するの時間の無駄ですよねププw)」と百万回位訊かれながらも、それでもあえて優待株にこだわる理由を改めて記しておきたいと思います。

 

これは一言でいうと、まさに今回の新型肺炎ショックのようなリーマンショックの時のトラウマが深く深く影響しており、当時信用全力でブン回しをしていた私はあえなく退場寸前まで追い込まれ、追証(必要証拠金のうち現金割合)を工面したりするのに大変な苦労をしました。担保にしていた中小型株が担保としての価値を日々どんどん失う中、最後まで最低限の値持ちと流動性を維持し、現金代替候補としてワークしたのが優待株だったからです。そこで私は流動性の重要さを思い知り、数年後に復活してからは大型株も手掛けるようになるのですが、そのきっかけをくれたのもまた優待株であったと言えます。

 

勿論、それは過度なレバレッジをかけていた私の個別事情によるバイアスが強いので一般化するのは強引なのですが、なんちゃらショックの後の長期の株価低迷局面を乗り切るのもまた優待株が最適だと思います。インカムゲインという観点なら大型の高配当株も一法なのですが、そういう低迷局面では企業業績も落ち込んで減配にとなりやすい上に、そもそも大型株なので比較的βが強く、株価市場全体と連動しやすいので、配当利回り5~6%水準で割安と思って飛びついても、市場全体が下がれば一緒にお付き合いで下がってしまうので、過度な信頼は禁物と言えます。

 

優待株についても業績低迷を理由とした廃止・改悪リスクが付きまとうものの、会社側の心情としては、業績が低迷して機関投資家に叩き売られた自社株が、優待廃止・改悪により個人投資家からも見放されて、株価がもう一段売り込まれるおそれのある判断はさすがに慎重になるもの考えられ、業績を言い訳に出来る減配策よりも実行のハードルが高いと思われます。また、個人投資家が今後は買ってくれなくなったり、株主総会の質問タイムが荒れたり、IR対応が大変になるなど実務上の影響も大きいと思います。

 

そして優待株の一番のメリットは長期低迷相場をやり過ごすには、単純に株主優待を貰いながら耐える・・・というのがメンタル的に最良と考えられるからです。そのうち株価の変動による値上がり益よりも、優待を貰うことだけが楽しみになり「もっともっと優待が欲しい」→「出来れば低迷期間が長引いて、安くなっている優待株の落穂ひろいをして銘柄数を増やしたい」とマインドが変わっていけばしめたものです。最早株価の動きなどどうでもよくなりますし、未来永劫ずっとヨコヨコ相場で良いと思ったりするようになります(笑)。

 

株主優待はその存在のせいで株価に歪みが生じているので批判的な向きもあるようですが、その歪みは個人投資家の数少ないエッジが効かせられる部分なので、このように荒廃した相場展開では積極的に優待株を利用しない手はないと考えています。

 

 

(注:上記の記述内容とコンフリクトしますが、一部の優待株には廃止・改悪リスクがあり、今回その可能性が強まったと考えています。ご投資される際はよく吟味された方がよろしいかと思います。)

 


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