お株の方はこの一週間でそこそこ下がりましたね。これが底なのかどうかはよくわかりませんが、“市場の体温計”とも言われる騰落レシオは50台前半(53)に突入したことから、取り敢えず来週央までに一旦リバウンドを試すような局面かな・・・と思っています。今回は新型肺炎による相場影響はさておき、投資における一般的な心構えの話をしてみたいと思います。今回もまた説教臭い長文エントリになるので恐縮ですが、ご興味があれば読み進めていただきたいと思います。
さて、今般の下落局面のように思うように立ち回れないリスクに備え、平時よりある程度銘柄分散をするべきだと思いますし、現金買付余力を確保しておくことは重要なことだと思います。然しながら、いくら分散させようと、余力を確保しておこうと、そんなものはしょせんは証券口座の中でのお話です。大幅調整時におけるよくあるパターンとしては、貴重なその余力を中途半端な下落タイミングで買い出動させ、“虎の子”の余力を一瞬で含み損のお荷物銘柄にしてしまい、結局最後は証券口座丸ごと全体がフルポジ火だるま状態になって身動きが取れなくなります。そしてそこからは、ただひたすら相場の反転を願うだけの“お祈りモード”の半冬眠状態に突入してしまいがちです。
そのため、当方に言わせれば銘柄分散や余力確保のバランス云々の話はさておき、証券口座に入っているものはすべからく全部「投資」という1ファクターとして見做し、日頃から人生におけるポートフォリオの中で相対化させておくことをお勧めします。
人生におけるポートフォリオの他ファクターとしては、「仕事」「自身のスキルアップ」「その他の趣味」「結婚」「出産・育児」「子女の教育」「親の介護」「自身の健康増進」「蓄財」など諸所諸々がありますが、これらの他のファクターにも意図的にリソースを配分し、ある程度分散させておくことが重要かと考えています。
一例を挙げてみますと、普段から「仕事」にリソースを割いておけば、給料も多少は上がりやすくなりますし、今回のような調整相場で大ヤラレしてしまっても、強化された給料入金力により復活が早くなります。また、「仕事」が上手くいくことで心に余裕が生まれ、結果として余裕を持った「投資」が出来るようになります。また「結婚」「出産・育児」「自身の健康増進」などにもリソースをさいておけば、精神面での安定や活力の回復もある程度期待出来るように思います。
逆に少々考えものなのは、「投資」にほぼ全振りしていて、しかも「趣味」や「蓄財」などを兼ねてしまっている場合です。これは往々にしてメリットとして捉えられがちですが、一度相場が大崩れした場合、「投資」だけでなく、「趣味」や「蓄財」といったファクターまで連鎖的にボロボロに崩れてしまうリスクを孕みます。要は相場でカネを失ってしまえば、投資が出来なくなるばかりか、趣味も失われ、それどころか将来のマイホーム資金や子供の学資等も貯められずに当初資産まで毀損させてしまうといったケースも考えられます。そういう場合は経済面もさることながら、最悪の場合は生きる活力も失われ、精神的にラリってしまってしまう・・・・といったことまで想定されます。
そのため、証券口座内での銘柄分散とか、現金で買付余力をいくら確保するといった話は「投資」という狭い井戸の中だけのお話なので、そこで血眼になって「投資」に色々な意味を持たせすぎるのはおすすめしません。「投資」の世界においては、単一銘柄集中投資や信用取引でレバを目一杯かけている人をリスクテイカーとして色物扱いしがちですが、世の中から見れば貴方(私もですが)のことを「投資」ばかりにうつつを抜かすリスクテイカーとして色物扱いされている可能性があることも自覚しておきたいところです。「投資」だけが人生ではありませんので、日頃より相対化を心掛けておきましょう。自戒を込めて。