2017年2月に上場したユナイテッド&コレクティブが運営する焼鳥居酒屋「てけてけ」を訪店してきました。「てけてけ」の展開店舗数は既に90店弱を数えるまでに成長しており、2番手業態である「the 3rd Burber」の展開店舗数が僅か6店に過ぎないことを鑑みると、事実上「てけてけ」の会社と言えます。
同業の鳥貴族と明確に異なるのは、生ビールが179円であるということです。しかもサントリー・プレミアムモルツの<香る>エール、を提供してこの値段なので破格のプライシングと言えます。ワタミが展開する鳥メロもアサヒスーパードライを199円で提供してキャッチ商材としていますが、それを20円も下回る価格なので、価格競争力は非常に強いと考えられます。私は注文の便宜上2杯分入ったメガサイズをオーダーしましたが、当然ながら350円程の激安価格でした。そのため、生ビールでは全く利益が出ていないものと考えられます。
焼鳥は大体20分~30分ほど待たされる(メニューにも時間がかかる旨をはっきりと書いている)ので、スピードメニューであるうずらの玉子やたこぶつなどを頼んでみました。こちらはいずれも300円程であり、量も大してなかったので、おそらく焼鳥の待ち時間でこうした好採算メニューをオーダーしてもらって、客単価を引き上げるのが店側の狙いと思われます。
追加で鳥貴族と異なる点を挙げるのであれば、お通し代300円を徴収するかわりにお通しキャベツ(おかわり自由)を提供する点です。鳥貴族もお通し代こそかからないものの、おつまみ代わりにおかわり自由のキャベツ(299円)を注文する向きが殆どかと思いますが、てけてけの場合はパーヘッドのお通し代を徴収するので、1人利用以外の場合はてけてけの方が店側にとって好採算となります。
看板メニューの焼き鳥は写真のような6本盛りで490円とリーズナブルです。てけてけは焼鳥のにんにく醬油ダレをウリにしており、秘伝のタレ・・・と謳ってアピールするのはやや過大感も感じますが、たしかに他では味わえないタレなので、これはこれでアリかと思います。
そして、てけてけ看板メニューのレモンチューハイ・てけレモンと塩つくねです。てけレモンはビールと比べると割高感もあるのですが、サッポロビールのレモン・ザ・リッチや、コカ・コーラの檸檬堂のようにフルーティーでリッチな味わいだと思います。塩つくねも焼鳥同様に結構待たされるメニューなのですが、シンプルな味付けがつくねの持つ本来のポテンシャル(!?)を引き出しています。
今回私は優待券消化のために久々に訪店したのですが、値段相応の満足度を感じることが出来たように思います。冒頭にも記しましたが、とにかくビールが安いので、ビール党の方には特に効用が高い業態だと感じました。割引材料としては、あくまでチェーンの廉価店なので、店によっては客層が若い(にぎやかというか五月蠅い)場合がある点や、今後はFCを活用した大量出店をしてくると考えられるため、クオリティにバラツキが出てくる可能性が高い点が挙げられます。定期的に訪店して様子をみていきたいと思います。
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