【3455】ヘルスケア&メディカル投資法人(東証REIT) NT
現在値 132,200円/1株 PER22.46 PBR1.23 1月分配 7月分配 投資主優待あり
ヘルスケア施設特化型。スポンサーはSHIPヘルスケアHD、三井住友銀行、NECAP。
予想分配金は年2回の合計6,454円配のため、予想分配金利回りは約4.88%となります。
業績を確認していきます。
■2018年1月期_第6期 営業収益 12.1億円、経常利益 5.1億円 DPU 2,653円
■2018年7月期_第7期 営業収益 12.6億円、経常利益 5.2億円 DPU 2,699円
■2019年1月期_第8期 営業収益 13.0億円、経常利益 5.3億円 DPU 3,120円
■2019年7月期_第9期 営業収益 20.0億円、経常利益 10.4億円 DPU 3,643円(9/13)
□2020年1月期_第10期 営業収益 20.1億円、経常利益 9.4億円 DPU 3,304円 ce
2019年7月期_第9期の営業収益は、第8期比54.4%増の20.0億円、経常利益は同93.7%増の10.4億円で着地し期初予算を上回ったほか、分配金についても当初予想の3,555円から、3,643円へ88円上振れさせています。大幅な増収増益となっていますが、これは期初に実施したPO(※後述)による影響が大部分であり、病院アセットである豊中のシップ千里ビル等の新規組入れ等が寄与しています。経常利益の上振れは、修繕費と減価償却費と見込み比で減少したほか、営業外での受取補償金もあったため、これらが分配金を押し上げた格好となります。
進行期である2020年1月期_第10期予算は、営業収益が第9期比0.2%増となる20.1億円、経常利益が同10.2%減の9.4億円をそれぞれ見込んでおり、分配金については同339円減の3,304円を予想しています。第9期のPOで取得した物件の固都税費用化の開始が翌第11期から始まるにも拘わらず、利益面が約1割落ちるのは、資産運用報酬が期ズレで発生することや、消費増税による費用増、および第9期の受取補償金の剥落によるものとなります。
当法人は本年2月にPOで126億円(@111,442円)を調達し、「シップ千里ビル」「小田原」「新横浜」「新横浜2」「浜川崎」「箕輪」「武尊」「北品川」の8物件を取得しました。発行済投資口数が5割以上増える超メガトン案件であり、NAV割れかつ、ローンチ時のインプライド・キャップレートすれすれの鑑定NOI5.6%での取得ではあったものの、REIT2事例目となる病院アセットである「シップ千里ビル」を126億円ながらNOI5.2%で組入れたことで、利回りを確保しました。また、第8期から利益超過分配を開始していることや、既述のとおり資産運用報酬が翌第10期に期ズレすることなどもあり、PO実施期に分配金をブーストさせることに成功し、オファリングサイズが大きいものの結果的(株価的)には大成功となりました。
また財務面についても、これまでLTVをおおよそ50%近傍でのオペレーションしていましたが、第9期末時点で47.5%まで下げることに成功しているほか、ローンについてもJCRからソーシャルローン格付で最上位を獲得したことから、スポンサーでの三井住友銀行のESG(SDGs)から低利の調達に成功しています。ただ既に調達金利は0.55%水準であるため、平均残存年数の2.6年の長期化が期待されます。
今年のPOのサイズが大きかったこともあり、足許のスポンサーパイプラインは100億円まで減少してしまっていることから、底堅い株価水準ながらも、次のPOは2021年以降かと思われ、更にその次のタイミングで中長期的な目標である資産規模1,000億円が視野に入ってくるものとみられます(現状は648億円)。POで買ったばっかりの物件である「サニーライフ北品川」で、本年5月に痛ましい事件が発生してしまったのだけは残念ですが、しばらくは現状維持の運用を続けるものとみられます。
![]() |
新品価格 |
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。