【7050】フロンティアインターナショナル(マザーズ) OP
現在値 2,100円/100株 PER12.1 PBR2.13 4月配当 株主優待なし
プロモーション企画大手。販促から子会社の店頭販売支援まで総合力に特徴。
今期の配当予想は未定となっており、実績ベースでは年1回・4月末に59円(記念配20円を
含むため注意)のため、想定配当利回りは約2.80%となります。
フロンティアインターナショナルは株主優待制度を導入しておりませんが、会社HPの表記
によれば“現在検討中”となっております。
業績を確認していきます。当社は本年2月のIPO銘柄です。
■2017年4月期 売上高 107億円、経常利益 8.4億円 EPS 116.6円
■2018年4月期 売上高 121億円、経常利益 10.4億円 EPS 172.1円
■2019年4月期 売上高 127億円、経常利益 11.1億円 EPS 195.8円
■2020年4月期 売上高 131億円、経常利益 11.4億円 EPS 178.9円 ce
□2019年7月1Q 売上高 26.5億円、経常利益 1.2億円 EPS 17.0円(9/12)
□2019年10月2Q 売上高 60.5億円、経常利益 5.4億円 EPS 85.8円 ce
2019年4月期の売上高は前期比4.8%増の127億円、経常利益は6.4%増の11.1億円となり、
上場時に開示した予算に対して、売上高は未達、利益は超過達成となりました。主力の
イベントプロモーション事業については、初回開催から企画と運営を担う東京ガールズ
コレクション(権利保有者はCCC系のW TOKYO)や、FINAL FANTASYのイベント等
ゲーム関連の案件が増加したほか、店頭・デジタル・PR等の一般プロモーション案件も
順調に増加しました。利益面については、限界利益率の改善により、人件費の増加や
営業外計上の上場関連費用を飲み込んで、経常利益率は6期続伸(8.7%)となりました。
進行期である2020年4月期の予算については、売上高が3.0%増の131億円、経常利益は
同2.9%増の11.4億円を予想しています。主力のイベントプロモーション事業については、
ラグビーワールドカップの大型プロモーションイベントが牽引するほか、東京五輪関連の
イベントも一部寄与する見通しです。期初時点で既に明らかにされている1Q・2Qの引合、
受注案件は前年同時期を6.3億円上回る57.9億円を確保しているほか、本年6月には仙
台・横浜・広島・小倉にサテライトオフィスを一気に4拠点開設しており、全国の拠点数を
9拠点にまで広げ、受注の拡大を図ります。9月に開示されている1Q決算の進捗は計画
比ビハインド感は否めないものの、当社の1Qは例年非繁忙期となる傾向もあることから、
ひとまずは会社側の期初予算を支持したいと思います。
当社は本年2月にマザーズ市場に上場を果たしており、その際の公募により約3.8億円
(@2,410円)を調達しています。中長期的な業績目標は開示していないものの、実績期
までの直近5年間の売上高CAGRは7.8%、経常利益CAGRは21.0%と高い成長を遂げて
います。ただ業績のスケール化にともない、足許の成長率は鈍化してきているものの、
広告市場全体の5年間成長率(2017年まで)が年率1.6%に留まっているのに比べ、当社
が得意とするイベント市場の同成長率は年率6.5%と大きく伸長しており、“モノ消費”か
ら“コト消費”へのトレンド移行を追い風とした業容の拡大が期待されます。
市場自体の拡大以外の成長可能性としては、広告代理店(主要代理店はADKとみられ
る)以外の直接取引の拡大であり、サイネージや屋外広告の活用など新たなアナログ
媒体を活用した取引量の増加を図るとともに、提携サプライヤを活用した新領域での
受注獲得を狙う方針です。ただこの辺の青写真は非常に漠としており、同業のPR会社
には総合PRを得意とし、実績も守備範囲も広いベクトル(6058)や、スポーツイベントに
強いサニーサイドアップ(2180)といった同規模の他社も非常に強力なので、ひとまずは
市場なりのモメンタム(年率5~6%成長)が確保出来るかどうかが投資論点となります。
会社側ではMAも含めた外部成長も志向しているようであり、上場で調達した3.8億円に
くわえ、元より比較的良好な財務水準を維持していることから(そもそも上場時に増資を
しておらず自社株保有株の売出し分でしか調達していない)、その辺の“飛び道具”の
活用についても注目していきたいと考えています。
なお、配当については今期未定となっているものの、上述のとおり財務自体は良好であ
るため、MA案件がなければ普通に吐き出してくる可能性が高いと思われます。実績期
では20円の記念配当を含めた上で59円が配当されましたが、同程度の金額が維持さ
れたとしても、配当性向は33%程度なので、据置きの期待が高まります。
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