【7959】オリバー(名証2部) OP
現在値 2,750円/100株 PER15.5 PBR 1.04 10月配当優待 4月配当優待
業務用主体の家具・インテリア大手。企画から納入・施工まで総合展開。
配当金は年2回、4月末・10月末合計53円配当のため、配当利回りは1.93%となります。
オリバーは株主優待制度を実施しており、4月末・10月末の単元株主に対して、1,000円
分のジェフグルメカードを年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.65%となり
ます。また、2年以上の長期保有により進呈額は倍の2,000円になりますので、その場合
の同利回りは約3.38%となります。
業績を確認していきます。
■2016年10月期 売上高 249億円、営業利益 26.7億円 EPS 175円
■2017年10月期 売上高 244億円、営業利益 20.2億円 EPS 171円
■2018年10月期 売上高 266億円、営業利益 21.4億円 EPS 178円
■2019年10月期 売上高 270億円、営業利益 21.5億円 EPS 176円 ce修正
□2019年4月2Q 売上高 144億円、営業利益 14.4億円 EPS 122円
□2019年4月3Q 売上高 204億円、営業利益 17.5億円 EPS 144円(9/2)
2019年4月期中間期については、売上高が前年同期比1.7%減の144億円、営業利益は同
8.4%減の14.4億円となり、売上・利益ともに予算を下回り、減収減益着地となりました。
期首時点での受注残高は、インバウンドの継続的な増加基調を背景としたホテル向け
の受注を豊富に抱えていたため、前年同期比107.6%の23.7億円でのスタートとなりまし
たが、建設費高騰のあおりを受け、医療福祉施設の新規およびリニューアル案件が低
調に推移したため、同分野の不振が全社の業績を大きく押し下げました。
なお2019年10月期の通期予算についても、既に開示済の3Qのタイミングで再度修正して
います。1Q時点で通期の見通しを大幅に減額したものの、3Q時点では概ね当初の水準
にまで予算を復元させており、売上高は前期比1.5%増の270億円、営業利益は同微増の
21.5億円を予想しています。上述のとおり医療福祉施設向けの低迷が色濃く響くものの、
大型ホテルの新規案件や“働き方改革”にともなうオフィス移転・リニューアル案件を順調
に獲得したたほか、コスト削減効果も寄与し、4Qにかけて大きく巻き返す公算です。進捗
率は芳しくないものの、会社予想の鮮度が高いため、修正予算を支持したいと思います。
当社は中長期的な経営計画を開示していないものの、2018年6月から株主の分布拡大と
流動性の向上を意図した立会外分売を連発したほか、これとは別に株式分割の実施や、
株主優待制度の拡充など株主数増加のための施策を矢継ぎ早に実施してきました。その
甲斐あってか、10月7日付で名証二部市場から東証一部市場へと一気にステップアップ
する運びとなりました。これは創業者であり、御年88歳である大川博美氏が昨年会長職
へと引っ込み、豊田通商出身の息子の大川和昌氏に社長職をやっと“禅譲”したことが
背景にあるとみられ、大川社長(Jr.)は業容拡大への意欲が高いものと考えられます。
そのため創業者から新社長にスイッチして未だ1年も経っていない状況ではあるものの、
今回の指定替えを機に新たな成長ストーリーが示される可能性が高いため、基本的には
一旦はそれを待つ格好となります(なお、ここ数期はずっと横ばいの業績が続いていた)。
ただ当社の場合、その成長ストーリーのいかんによらず、成長株というよりはバリュー株
としてバリュエーションすべき銘柄であり、10億円弱の有利子負債に対して200億円超の
べらぼうな現金同等物を抱え込んでいるほか、40億円程の取引先持合株を保有しており、
たとえ横ばい業績でも大した株主還元を実施してこなかった経緯もあり、自己資本の過剰
な積み上がりばかりが目立つ銘柄となっています。
かような状況もあってか、ここ数期においては株主還元姿勢を強めており、「安定配当」
政策は「配当性向20%」へと変化し、さらに足許では「配当性向30%」に増やしています。
また今後はより厳しいガバナンスの視線が注がれる東証一部への指定替えとなるため、
記念配当を含めた更なる吐き出しが迫られるものと考えており、新しい成長ストーリー
もさることながら、還元政策の一層の強化に期待したいと思います。
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