【8771】イー・ギャランティ(東証1部) OP
現在値 1,219円/100株 PER23.5 PBR5.28 3月配当優待
伊藤忠系。商・金融取引の信用リスク受託。運用商品を組成して販売。
配当は3月一括の年間13円配当のため、配当利回りは1.07%となります。
イー・ギャランティは株主優待制度を導入しており、3月末に単元株を保有する株主に対し、
1,500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.29%となります。
業績を確認していきます。
■2016年3月期 売上高 44.2億円、経常利益 18.5億円 EPS 26.9円
■2017年3月期 売上高 45.7億円、経常利益 21.5億円 EPS 32.3円
■2018年3月期 売上高 51.0億円、経常利益 23.0億円 EPS 34.9円
■2019年3月期 売上高 55.7億円、経常利益 25.5億円 EPS 39.1円
■2020年3月期 売上高 62.0億円、経常利益 27.5億円 EPS 51.7円 ce
□2019年6月1Q 売上高 14.5億円、経常利益 6.2億円 EPS 12.8円(7/30)
□2019年9月2Q 売上高 29.5億円、経常利益 13.0億円 EPS 25.8円 ce
2019年3月期の売上高は前期比9.2%増の55.7億円、経常利益は同10.8%増の23億円となり、
6期連続で売上高が期初予算割れとなったものの、利益は予算を確保しました。保証残高
については、新規顧客の開拓にくわえて、「働き方改革」の風潮に乗じて、既接触顧客に対
して与信管理及び債権回収のの効率化提案を実施した結果、3,453億円→3,887億円まで
12.6%積み増すことに成功しました。売上高が未達だったのは、倒産件数の減少にともない
保証料率が減少したことによるものであり、利益面が予算通りとなったのは主に経費率の
削減に由ります。なお、上場以来12期連続となる増収増益を達成しています。
進行期である2020年3月期予算については、売上高が11.2%増の62.0億円、経常利益は
7.7%増の27.5億円を予想しています。緩やかな景気回復基調を背景に、倒産件数は依然
として低水準で推移しているため、当社事業におけるファンダメンタルは厳しい状況が続い
ているものの、引き続き積極的なリスク引受を行っていく計画です。また、契約のオンライン
化により顧客利便性向上を図るほか、契約更改専門チームを組成し、既存契約の更改率
の向上を図る方針です。また、フィンテック領域を重点注力分野に定め、小口決済代行の
信販会社や、給料立替払企業といった顧客に対してリスク引受を提供する目論見です。
なお、7月30日に開示済の1Qによれば、概ね会社計画水準での進捗が確認されます。
当社は中期経営計策定しておらず、従前は2018年3月期に経常利益50億円という“目標”
を掲げていましたが、最終的な経常利益の実績はその半分以下となりました。景況感改善
にともない、倒産件数が右肩下がりとなっている現状では、事業のファンダメンタルズ的に
は相当苦しいはずですが、かような事業環境においても会社側は年率でギリギリ2桁程度
の成長幅がとれると判断している模様であり、提携金融機関が頭打ちになった現状でも、
引き続き国内中心の営業展開をしているような状況です。以前は業容拡大のため、韓国・
中国で事業展開していましたが、現状は本邦企業に紐付いた現地案件等を除いて休止し
てしまっている模様あり、本来的には中国事業は親会社である伊藤忠商事のサポートを
得やすいことも考慮すれば、やはり意図的に海外を後回しにしている印象を受けます。
株主還元に関しては、配当性向30%基準で利益に応じてマイルドに増配してきましたが、
【5.5→7→8.5→10→11.25→13→13円(予】、今期は13円配据置を予想しているため
配当性向は実績期の33.2%から25.1%まで実に810bps.も落としてしまう計算となります。
そのため、当社がこれまで配当性向に何となく累進性を持たせてきたことを考慮すれ
ば仕上がりの利益に対して、配当性向31%~32%程度で洗い替えてくる可能性は高く、
今期の期末配当は「16円+α円」まで伸びる公算が高そうです。
*参考記事① 2018-06-30 1,008円 *分割修正済 OP
2桁の増収増益路線に復帰で、成長モメンタムは再加速。イー・ギャランティ(8771)。
*参考記事② 2017-07-07 759円 **分割修正済 OP
企業業績のファンダメンタルズ改善は逆風か、イー・ギャランティ(8771)。
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