【7613】シークス(東証1部) ---
現在値 1,829円/100株 PER12.9 PBR1.55 12月配当 株主優待あり
電子機器の製造受託(EMS)国内トップ。調達から組み立てまで一貫。商社機能も。
配当金は6月・12月の年2回合計28円の配のため、配当利回りは1.53%となります。
シークスは株主優待制度を導入しており、12月末現在の単元保有の株主に対して、
1,000円相当のVISAギフトカードを進呈しておりますので、配当金と合計した配当優待
利回りは約2.07%となります。
業績を確認していきます。
■2015年12月期 売上高 2,350億円、営業利益 89.1億円 EPS 137円
■2016年12月期 売上高 2,127億円、営業利益 91.3億円 EPS 133円
■2017年12月期 売上高 2,331億円、営業利益 97.0億円 EPS 144円
■2018年12月期 売上高 2,428億円、営業利益 86.2億円 EPS 131円
■2019年12月期 売上高 2,440億円、営業利益 90.0億円 EPS 141円 ce
□2019年6月中間 売上高 1,200億円、営業利益 40.0億円 EPS 63.5円 四e
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2018年12月期の売上高は前期比4.1%増の2,428億円、営業利益は同11.1%減の86.2億円
となり、増収増益を予想していた期初予想から一転して減益着地となりました。車載関連
については、主戦場である日本および中華圏で出荷が増加して両セグメントともに増収・
増益を確保したものの、新たに拠点を開設した華中・湖北工場、およびハンガリー工場の
立ち上がりが遅れたほか、受注が急増したメキシコ工場における労働力の確保の遅れと
現地トップ交代による現場の混乱などもあり、これらが全社の利益を圧迫しました。
進行期である2019年12月期の予算については、売上高が0.5%増となる2,440億円、営業
利益は4.3%増の90.0億円を見込んでいます。主力の車載関連については、米国の景気
回復基調の継続や中華圏での政策効果の発現などもあり、エクステリアや電装品を中心
に需要が好伸するものとみられます。また、実績期で出遅れた湖北工場や、ハンガリー
工場の復調、メキシコ工場の正常化が見込まれるため、費用面の良化も期待されます。
また、本年2月には世界最大の自動車サプライヤー(Tier1)であるボッシュとの間で車載
マルチメディア基盤の実装に関する協業をリリースしており、本年4Qよりハンガリー工場
から欧州市場向けの量産を開始する計画となっています。
当社は2020年12月期を最終年度とする3年間の中期経営計画を策定しており、最終的
には売上高3,000億円(CAGR9%)、営業利益140億円(CAGR9%)という業績目標を掲げて
います。既に売上高の6割を占める車載関連及び産業機器関連により一層フォーカスし、
EVやIoTといった高付加価値領域での業容拡大を狙います。折しもTier1格にカテゴリー
されるような自動車サプライヤー各社は、急速にEV半導体や運転自動化技術といった
戦略事業に軸足を移しており、メーカー機能から離れていっているため、従来の電装品
などは当社に外注して済ませる傾向も出てきているため、事業環境は良化しています。
当社は印刷インキ3位であるサカタインクス(4633)の貿易部門を発祥としており、サカタ
インクスインターナショナルから商号変更して、シークス(SIIX)という現在に商号となって
います。既に親のサカタインクスの時価総額を抜き去っているほか、同社の出資比率も
2割程度に留まっているため、完全に独自路線の会社となっています。車載EMS分野で
は世界2位の地位を築いており、主要海外拠点であるシンガポールを軸に、フィリピン、
メキシコ、ベトナムなど展開エリアを順調に拡大しているため、中長期的にはこの展開
エリアの広がり分だけで、相応の成長が確保出来るものと考えています。
なお株主還元に関しては、配当性向20%水準をメドに非常に緩やかな増配基調を続けて
きましたが【21→25→26→27→28円(予】、昨年は株価位置がかなり低かったこともあり、
別途40億円規模の自社株買いを実施しており、発行済株式の5%強を買い切っています。
財務的にも自己資本比率4割を確保しているため、今後も海外工場の建設などの資金
需要はあるものの、配当性向は25~30%水準まで切り上げる余地がありそうです。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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