百貨店株の考え方について。 | なちゅの市川綜合研究所

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私が保有する百貨店株は優待目的が殆どなのですが、各百貨店株についての考え方を

整理がてら記したいと思います。中には純粋に投資目的で買ってるものもあります。

①三越伊勢丹ホールディングス(3099)

単純な優待目的として保有。伊勢丹本店・三越本店・三越銀座店の旗艦3店の莫大な資産

価値が魅力であるものの、マネジメント層で突然クーデターがあったり、不採算店のリストラ

がいまだ続いていたり、いかんせん経営がアレなところが割引要素。150億円を投じる三越

本店の改装には改めて期待したいところ。

 

②Jフロントリテイリング(3086)

単純な優待目的として保有。三越伊勢丹ほどではないものの、松坂屋栄店やGINZA SIX、

大丸心斎橋など不動産資産多いのは魅力。実質的に不動産賃貸業に舵を切りつつあり、

経営自体は筋肉質になっている印象。株価的なバリュエーションや比較的高い配当利回り

から、純投資としてもわりと普通に買える銘柄であり、投資妙味はこの中で一番高い?

 

③髙島屋(8233)

単純な優待目的として保有。業界の優等生の“オール4”百貨店、アジア進出も先駆的で

あり、女性の幹部登用なども進んでいて外形的には一番まっとうな百貨店ですが、いかん

せん借り物店舗が多く不動産資産が薄いのが泣き所。苦戦の続く新宿タイムズスクエアの

残りの建物を買って一棟自社保有としたものの、成長投資が賃料負担の削減というのが、

頭打ち感を感じるところ。免税売上高が落ちるときつい。でも子会社の東神開発は優秀。

 

④松屋(8237)

純投資目的寄りで保有、優待はオマケ。何と言っても松屋銀座店(約2,400坪、一部借地)

の不動産含み益と、事実上銀座店の一本被れであり、インバウンド次第でいくらでも業績

が上振れする可能性のある高いエッジ性が魅力です。良くも悪くも古屋(秋田)一族による

同族経営であり、文具の伊東屋から銀座店の建物も買って銀座店は一棟で所有へ。

 

⑤丸井グループ(8252)

純投資目的で保有、優待はオマケ。伝統的な消化仕入方式をとりやめて、テナント貸しに

変更するという超ドラスティックな経営判断は創業家でなければ絶対に出来ないと思われ、

百貨店業界の衰退を早期に見抜いた青井一族による剛腕経営が光ります。稼ぎ頭である

カード事業は決済手段の多様化でシュリンクする可能性があるのと、不動産を殆ど持って

いないのがネックですが、それを補って余りある株主還元を実施。そしてますます肥えて

いく青井不動産(※大株主で、青井一族の資産管理会社。永和不動産というのもある)

 

⑥パルコ(8251)

純投資と優待目的の両面で保有、そもそも百貨店ではない点に注意。何と言っても都心

一等地に自社保有店舗が多いことが最大の魅力です。イオンとひと悶着あって、百貨店

であるJフロントの傘下へ収まりましたが、今では親のJフロント側の“パルコ化”が止まら

ない状況なので、あとは言わなくてもわかるよな・・・という感じです。

 

 

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