本当に怖い「自分の買い値」へのコダワリ。 | なちゅの市川綜合研究所

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私はかねてより自分の買い値ほどアテにならないものはないと思っています。

 

貴方が超一流の投資家なら兎も角、“ひとやまいくら”の個人投資家の貴方(私を含む)が、

不十分な知識や少ない経験をベースに勝手に妥当と判断して買ったいい加減な値段であ

り、そんな買い値にアンカリングされて売り値の判断をしているようでは、買いのタイミング・

売りのタイミングの両方で、二重にブレてしまう可能性すらあると思っています。

 

そして、買い値に拘らないという点では、「売買は基本的に成行注文」というのもあります。

これは時間面での制約が大きい兼業投資家として、約定までの時間や、指値訂正手間の

節約的な意味もあるのですが、買い値や売り値がわずか数ティック変わっただけで、買い

や売りの方針が変わってしまうこと自体、根本的にオカシイという考え方が根底にあります。

つまり、自分の指値が通るかどうか(数ティックのズレ)で、売買するかどうかの判断が変

わってしまう時点で、方針自体がふわふわしており、もっと言うと銘柄のことがよくわかっ

ていないので、とりあえず少しでも安く買えるように指値を頑張っているだけに見えます。

 

注意したいのは、購入後に自分の買い値に拘らない売却ができたとしても、カジュアルな

ロスカットが続くと、今度は売買主体である自分自身が信用できなくなり、疑心暗鬼の中

で余計な売買を繰り返すようになることです。そのため、売る時は利確になるとか、ロス

カットになるとかそういった「自分の買い値ベース」の結果論は大して重要でないものの、

買う時以上に慎重に考えて売却の判断をすることこそが重要かと思います。薄利と一緒

に自分の売買に対する疑念の種も抱くようなことも避けるべきであり、自分的には薄利

でもとりあえずヨシ!として整理した株が、売った直後に噴いたりすると、投資家としての

自信を喪失してしまいますので、きちんと考えて納得した上で売却することが必要です。

 

投資ブログなどを読んでいると、「薄利ですがいちおう利確できました(キリッ」、「なんとか

同値撤退できました」といった表現を目にすることも多いですが、これらは損をしていない

という観点において、外形的にも、自分的にも失敗トレードとして捉えられることは少なく、

この場合も自分の買い値が邪魔をして、本質的な失敗については振り返られることもなく

流れていってしまいます。従って投資の経験値も貯まりにくくなってしまうため、かような

観点からも、自分の買い値などは買った瞬間に忘れても良いくらいだと思っています。

 

(本記事はデイトレーダーに代表される短期投資家の方を対象としたものではありません)

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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