【9707】ユニマットリタイアメント・コミュニティ(東証JQS) ---
現在値 1,997円/100株 PER7.47 PBR1.07 3月配当 9月配当株主優待
埼玉地盤、全国でも多機能型介護施設「そよ風」運営。有料老人ホームも。
配当は3月一括の18円配当のため、配当利回りは0.90%となります。
ユニマットリタイアメント・コミュニティは株主優待制度を実施しており、9月末時点の単元
保有株主に対して、3千円分の自社優待券等を進呈しておりますので、配当優待利回り
は約2.40%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 425億円、営業利益 13.6億円 EPS 60円
■2016年3月期 売上高 449億円、営業利益 7.7億円 EPS▲20円
■2017年3月期 売上高 442億円、営業利益 21.1億円 EPS 165円
■2018年3月期 売上高 491億円、営業利益 27.7億円 EPS 207円
■2019年3月期 売上高 547億円、営業利益 32.4億円 EPS 267円 ce
□2018年9月2Q 売上高 272億円、営業利益 18.7億円 EPS 171円
□2018年12月3Q 売上高 413億円、営業利益 29.3億円 EPS 255円
2018年9月中間期の売上高は前年同期比20.8%増の272億円、営業利益は同29.4%増の
18.7億円となり、期初予想を上回って大幅な増収増益となりました。平成30年度における
介護報酬引き下げの影響を見込んでいたものの、主要な介護サービス(デイサービス、
ショートステイ、グループホーム、有料老人ホーム)の全てにおいて、稼働率及び入居率
の両方が計画を上回ったため、余裕でカバーした格好となりました。その一方で、サブ
セグメントである飲食事業については、人件費等経費管理に取り組んだものの、一部の
好採算業態において減収となったことも響き、上期は赤字通過となっております。
なお、2019年3月期の通期予算については2Q前に期初計画を増額しており、売上高が
前期比11.4%増の547億円(従予:542億円)、営業利益は同16.9%増の32.4億円(従予:27.9
億円)にそれぞれ修正しています。上期の業績上振れ分にくわえ、上期開設済の3拠点
(相模原・亀戸・三軒茶屋)が寄与するほか、下期期中にも3拠点(永福・砂町・他1拠点)
が開設・稼働予定となっています。既に去る2月中旬に3Q決算が開示されておりますが、
介護サービスは全般的に好調に推移していることが出来るほか、飲食事業も切替して
セグメント黒字に浮上していることも確認されます。そのため、増額修正後の通期予算
についても達成確実圏といえますが、例年当社の4Q単独期間はショボいことが多く、
若干ながら季節偏重性があるので、過度な上振れまでは期待出来ないかと思います。
当社は高橋洋二氏が率いる所謂“ユニマットグループ”に属しており、グループの中核
会社であり、オフィスコーヒーを手掛けるユニマットライフが18%を出資しているものの、
実際の筆頭株主は高橋氏であり、同氏が持分の31.4%を握る同族企業となっています。
元々そのユニマットライフは、ユニマットオフィスコという名で上場しており、ダイオーズ
に似たような位置づけでしたが、既に2010年に上場を廃止しており、当社はユニマット
グループの冠つけた唯一の上場企業となっています(ユニマットを冠していないものの、
カッシーナ・イクスシーも実はユニマットグループ)。
そのため当社は、オフィスコーヒーだけに留まらず、不動産事業やリゾート、飲食事業
などマルチな強みを持つ同族私企業・ユニマットグループにおける「介護事業部門」的
な立ち位置であり、全てはユニマットグループの全体最適化戦略の中でしか生きられ
ない会社なので、成長その他株主還元等に関しても過度な期待を持たない方が良い
かと思われます。極端なことを言うと、これといって上場を続けていく必要もない会社
なので、MBOなどによる上場廃止の可能性が存することは留意すべきかと思います。
しかしながら、昨年に株主優待の制度拡充を実施していることから、当分はその心配
は無用であり、優待食事券が出る今となっては、ユニマットキャラバンがドトールに売
ってしまった高級カフェ事業「カフェ・ラ・ミル」が今も残っていたら・・・などと、主に優待
使用の観点において、少し思うところはあります。
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