【9266】一家ダイニングプロジェクト(東証1部) ---
現在値 1,257円/100株 PER20.6 PBR3.55 3月無配株主優待 9月株主優待
首都圏で和食居酒屋『こだわりもん一家』『屋台屋博多劇場』等を展開。
配当基準日は3月(9月)ですが、配当実績はなく、今期も無配予想となっています。
一家ダイニングプロジェクトは株主優待を導入しており、3月末・9月末に単元株を保有する
株主に対し、5,000円の食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りは7.95%となります。
業績を確認していきます。
■2016年3月期 売上高 43.3億円、経常利益 1.0億円 EPS 15.0円
■2017年3月期 売上高 54.1億円、経常利益 1.5億円 EPS 29.7円
■2018年3月期 売上高 61.4億円、経常利益 2.4億円 EPS 55.4円
■2019年3月期 売上高 72.3億円、経常利益 2.9億円 EPS 60.9円 ce
□2018年9月中 売上高 33.1億円、経常利益▲0.0億円 EPS▲1円(11/13)
2018年9月中間期の売上高は前年同期比13.4%増の33.1億円、経常利益は同99.0%減の
▲0.0億円となり、期初予想との比較はないものの、2桁の増収ながら減益となりました。
主力の飲食事業における既存店売上高は、台風等の悪天候影響や『博多劇場』の値下
げにより、予算前提の100%に対して99%での仕上がりとなりました。また、出店に関しても
通期計画の12店に対して、前年同期よりも1店多い9店を開業したため、初期開業コスト
が重しとなり、利益が特に大きな落ち込みとなりました。なお、開業した9店は全て廉価
業態の『博多劇場』となっており、都内以外では武蔵浦和や五井(!)へも出店しています。
なお2019年3月期の通期予算については、期初予想を据え置いており、売上高は前期比
17.6%増の73.2億円、経常利益は同20.4%増の2.9億円を予想しています。飲食事業につい
ては上期に開業した9店が下期からフルに寄与するほか、追加で3店程開業する見通しと
なっています。もとより当社は業績の季節偏重性が強く、飲食事業に於いては12月を挟む
3Q単独期間が最大となるほか、秋口が書入れ時となるブライダル事業についても同様に
3Q単独期間に数字が寄るため、2月に開示予定の3Q決算が最大のヤマ場となります。
ただ、既に開示がなされている月次売上動向によれば、3Q単独期間の3ヶ月(10-12月)は
何れも100%をクリアしており、均して101.4%と良好に仕上がっているため、上期の凹み幅
を埋めて、通期の会社予想に対してインラインで進捗しているものと推察されます。
当社は2017年12月にマザーズ市場に上場したばかりの会社であり、成長可能性資料に
よれば、ベンチマーク業態の「鳥貴族」や「串カツ田中」を多少上回る客単価2,500円程度
の廉価業態である『博多劇場』を展開の柱に据えており、翌2020年3月期までの3年間は
年間約11店舗ピッチでの出店を予定しているため、来期までは概ね同じ幅での業績成長
が見込まれます(出来上がりの業績としては売上高85億円・経常利益3.5億円のイメージ)。
地盤が千葉の本八幡であることから、先ずは一都三県でのドミナント展開により、業態の
認知度を向上される方針であり、東京は城東方面へ“西進”を進めつつも、お膝元の千葉
県では房総半島を“南進”し、『博多劇場』の郊外店の展開可能性を図っている模様です。
当社の強みは集客面ではアプリによる顧客囲い込みや、名物の餃子の商品力が目立ち
ますが、根底となる出店部分で、内装等の初期投資を抑制していることがポイントとなって
おり、一店舗あたり約42百万円しかかかっておらず、保証金迄含めても3年強で回収する
モデルになっています(内装にさほど金をかけず、席数も増やして坪効率も追及している)。
そのため、出店や不採算店閉鎖の判断が他社より早いことが、独自の特徴と言えます。
このほか、イントランス開発物件でユナイテッド・アーバン投資法人が保有するREIT物件で
ある「THE PLACE OF TOKYO」に一本被れとなっているブライダル事業の今後の出店や、
この手の新興企業に口も金も出して、とっぽいPRを展開する5位株主のベクトルの存在も
気になるところですが、今後の成長を論じる前に、まずは今期の業績をしっかりと予算通り
仕上げてから・・・というところかと思います。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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