私は基本的には日本株個別銘柄の現物投資が殆どですが、一定の割合でREITを購入し
ています。REITと言えば、「個別銘柄よりはたしかに高利回りかもしれないけど、殆ど値上
がりもしないし、普段の値動きも殆どなくて退屈な運用商品だな・・」くらいに思われている
方も多いと思いますし、私も実際にREITを買ってみるまではそんな印象を持っていました。
が、いざポートフォリオの一部に加えてみると、それまで見えてこなかった様々な特徴が
あることに気付かされます。やはり一番に挙げられるのは、個別銘柄との連動性の低さ
であり、日経平均が何百円単位で下がろうがビクともせずに、逆に値上がりしたりするこ
とすらありますので、ポートフォリオの下支えになるほか、メンタルの安定にも寄与します。
さすがにリーマンショックのように不動産が震源地の時は回避不能で連れ安しましたが、
REITには裏付となる不動産があり、収益性も資産性もそれなりに担保されていたので、
数年かけてしっかりと高値を奪回できたのも見逃せないポイントかと思われます。また、
“リーマン級”までいかなくとも、年に数回ある株式市場の大暴落に巻き込まれてしまう
ような時でも、REITが連れ安するのはワンタイミングかそれ以上後になるので、値持ち
の良さを活かした換金売りが出来ることも多く、シンキングタイム付きで安くなった個別
銘柄への乗り換えトレードといったことも(やる気になれば)可能です。
また、この他にも信用取引の代用有価証券として、掛目8割程の担保価値があるほか、
値動きが少ないので、暴落時は本当に“担保”としての真価が発揮されやすい点など、
色々なメリットがあるのですが、当然良い点だけではありません。冒頭で述べたような
値動きが少ない点などにくわえて、足許では世界最強(?)のリスクフリー商品である米
国債で3%強の利回りが確保出来る状況になっているため、REITとのスプレッドが低下
しており、金融商品としての利回り妙味が落ちているほか、REITの“原価”となる資金
調達金利の上昇も見込まれる点には注意しなくてはなりません。
ごく当たり前の話ですが、世の中の金融商品はどれもリスクとリターンが釣り合うように
出来ています。REITとてリスクの低い無敵の金融商品とは言いきることは出来ませんが
それでも特徴を理解すればうまく利用出来ますので、個別銘柄派の方もポートフォリオ
に少し混ぜてみることをおすすめします。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。